中国縦貫自動車道

中国縦貫自動車道（ちゅうごくじゅうかんじどうしゃどう）

中国縦貫自動車道は、日本における国土開発幹線自動車道として位置づけられている重要な路線の名称です。その起点は大阪府吹田市、終点は山口県下関市と定められています。一般的には「中国縦貫道（ちゅうごくじゅうかんどう）」という略称でも呼ばれます。

この路線は、日本の高速道路網の根幹をなす法律である国土開発幹線自動車道建設法に基づき、計画路線として指定されました。また、高速自動車国道の路線を指定する政令によって、具体的にどの経路を高速自動車国道として整備するかが定められています。

計画段階では、大阪府吹田市から出発し、兵庫県加東郡滝野町付近、岡山県津山市、広島県三次市、島根県鹿足郡六日市町付近、山口県山口市を経由して下関市に至るルートが想定されていました。この広範なエリアを結ぶことにより、中国地方の主要都市間や、畿内と中国地方を結ぶ大動脈としての機能が期待されました。

現在、この中国縦貫自動車道として計画された区間は、すべて高速道路として完成し、供用されています。具体的には、その大部分が高速自動車国道である「中国自動車道」として利用されており、大阪と山口を東西に貫く幹線として機能しています。加えて、広島県内の重要な連絡路である広島北インターチェンジから広島北ジャンクションまでの区間は、「広島自動車道」の一部として供用されており、中国自動車道と山陽自動車道などを接続する役割を担っています。このように、名称としての中国縦貫自動車道は計画路線名ですが、実際の道路としては中国自動車道と広島自動車道の一部によってその機能が実現されています。

沿革

中国縦貫自動車道の歴史は、以下の重要な段階を経て現在の姿となりました。

1966年7月1日: 国土開発幹線自動車道の予定路線として、中国縦貫自動車道の名称で指定されました。これにより、将来の高速道路整備計画の中に正式に位置づけられることとなります。
1970年3月1日: 初めての一部区間が供用を開始しました。大阪府内の吹田ジャンクションから中国豊中インターチェンジまでの区間が開通し、日本の高速道路ネットワークの一部として実際に利用できるようになりました。これは、中国縦貫道建設における最初の一歩でした。
1983年3月24日: 広島県の千代田インターチェンジと山口県の鹿野インターチェンジを結ぶ区間が開通しました。この開通により、計画された中国縦貫自動車道の全区間が完成し、供用されることとなりました。大阪から下関までが高速道路一本で結ばれ、地域間の交通は飛躍的に向上しました。

全区間が供用された中国縦貫自動車道は、今日、日本の経済や社会活動を支える重要な交通インフラとして機能しています。地域間の連携強化や物流の効率化に大きく貢献しており、国土の均衡ある発展にも寄与しています。

関連事項

国土開発幹線自動車道
高速自動車国道

外部リンク

独立行政法人 日本高速道路保有・債務返済機構

（注：上記の内容は、特定の時点の情報に基づいています。最新の情報は、関連機関の公式発表をご確認ください。）

もう一度検索