中国高速鉄道CRH5型電車

中国高速鉄道CRH5型電車は、中国国鉄が在来線の高速化のために導入した車両です。フランスのアルストム社との提携により、同社のTGVの技術を基に製造されました。しかし、動力方式はTGVの動力集中方式ではなく、イタリアのフィアット社が開発したペンドリーノETR600電車をベースとした動力分散方式が採用されています。なお、車体傾斜機能は備えていません。

営業運転での最高速度は250km/hです。契約では、60編成が導入され、そのうち3編成がイタリアで製造され、6編成が部品として中国へ輸送され、中国国内で組み立てられました。残りの51編成は長春軌道客車股份有限公司によって製造されました。これらの契約形態は、他のCRHシリーズと同様です。

最初の車両は2006年12月にイタリアから発送され、2007年1月に中国に到着しました。中国で製造された車両は、2007年4月に鉄道部に納入され、営業運転を開始しました。

2014年7月には、CRHシリーズの車両番号表記が変更され、CRH5-xxxAという番号がCRH5A-5xxxに変更されました。さらに、寒冷地仕様の編成はCRH5G、乾燥地帯向けの編成はCRH5Hとして区別されるようになりました。2016年11月には、寒冷・乾燥地域に対応した寝台高速列車CRH5Eが完成し、量産を開始しました。2017年には、宝蘭旅客専用線向けに製造されたCRH5Gの増備車が登場し、寒冷・乾燥地域での走行性能を向上させるため、外観も変更されました。

CRH5（CRH5A）は、ベースとなったETR600と比較して、車幅が拡張され、新幹線や他のCRHシリーズと同様に、一列に最大5席を配置できるようになりました。初期の車両では座席の向きは固定式でしたが、一部の車両では回転式に変更されています。ただし、回転式座席を備えた車両は、座席定員が減少しています。

CRH5型は、中国の高速鉄道網において重要な役割を果たし、多様な気候条件に対応したバリエーションが存在しています。また、中国高速鉄道の発展に大きく貢献した車両の一つです。

関連事項

中華人民共和国の高速鉄道
中国鉄路高速
和諧号
中国高速鉄道CRH1型電車
中国高速鉄道CRH2型電車
中国高速鉄道CRH3型電車
中国高速鉄道CRH6型電車
中国高速鉄道CRH380A型電車

もう一度検索