中央軍集団

中央軍集団（Heeresgruppe Mitte）

中央軍集団は、第二次世界大戦中のナチス・ドイツの陸軍における重要な軍団の一つであり、特に東部戦線において重要な役割を果たしました。この軍団は1941年6月22日に独ソ戦が開始される際に創設され、多くの戦闘を指揮しました。

創設と初期の功績

中央軍集団は、独ソ戦の開戦直後に設立され、他の二つの軍集団とは異なり、二つの装甲集団を配備されていました。そのため、最大の戦力をもっていました。この軍団は、ソ連陸軍を殲滅し、ソビエト連邦の首都モスクワへの攻撃を担当しました。戦争初期の1941年7月には、ミンスク包囲戦で赤軍の西部正面軍を壊滅させ、続いてスモレンスクでの戦闘では西部正面軍の反撃を受けながらも、見事な戦術で敵軍を包囲しました。

軍団の指揮官であるグデーリアン上級大将は、モスクワへの進撃を強く望んでいました。しかし、当時のヒトラーの命令により、ウクライナのソ連軍を優先して殲滅する方針が優先されたため、中央軍集団の進撃は一時中断され、第2装甲集団はキエフの包囲戦に参加しました。包囲戦の後、再度装甲部隊が復帰し、モスクワを攻略するための「タイフーン作戦」が開始されましたが、その後の攻撃ではソ連軍に致命的なダメージを与えることはできず、11月には攻勢が頓挫してしまいます。

戦況の変化と防衛戦

1942年には、ソ連軍の反攻が始まり、ヴャジマ＝ルジェフ攻勢が展開されました。中央軍集団は防衛戦に転じ、第一次ルジェフ会戦を経て、以降は南方軍集団が主力となり、中央軍集団は防衛任務に徹することとなります。クルスクの戦いにおいては、北正面への攻勢を担当しましたが、目立った効果は上げられませんでした。

その後、1944年6月にはソ連軍によるバグラチオン作戦が開始され、中央軍集団は50万人の兵力を保持していたものの、緒戦で25万人を失い、華々しい戦果を上げることはできませんでした。その結果、東プロシアやラトビア方面に向かう過酷な撤退戦を余儀なくされました。このプロセスで、北方軍集団の主力はラトビアのクールラント半島で包囲され、最終的には中央軍集団は北方軍集団に改称されました。

歴代の司令官たち

中央軍集団は、その存在期間中に様々な司令官の指揮のもと活動してきました。初代司令官のフェードア・フォン・ボックは1941年からその職務を務めましたが、その後もギュンター・フォン・クルーゲやエルンスト・ブッシュ、ヴァルター・モーデルなど、著名な将軍がこの軍団を指揮しました。

結論

中央軍集団は、第二次世界大戦の東部戦線において最も重要な軍集団の一つとして多くの戦闘を展開し、戦争の行く末に影響を与えました。戦局が変化する中でその役割も変わっていきましたが、その戦闘の歴史は現在も多くの人々に語り継がれています。

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