中寺 (大阪市)

大阪市中央区中寺：歴史と文化が息づく寺町

中寺（なかでら）は、大阪府大阪市中央区の南部に位置する町名です。現行行政地名としては中寺一丁目および中寺二丁目が存在し、落ち着いた雰囲気の住宅地を形成しています。

地理

中寺は、大阪市中央区の南部に位置し、北は谷町7丁目、東は谷町8丁目および9丁目、西は瓦屋町・高津、南は千日前通を挟んで天王寺区生玉町にそれぞれ接しています。この地域は、谷町筋と松屋町筋の間に寺院が集中するエリアの北西端にあたり、上町台地の西斜面に位置しているのが特徴です。一丁目と二丁目の境界には、地蔵坂と呼ばれる道路が東西に横断しています。

歴史

中寺の歴史は、大坂の陣後に松平忠明によって行われた大坂市中の寺院整理に深く関わっています。この整理によって形成された寺町の一つ、生玉筋中寺町（24ヶ寺）が地域の大半を占めるようになりました。1873年（明治6年）には西成郡西高津村に編入され、その後、行政区の変遷を経て現在の中央区へと至ります。

1889年（明治22年）：西高津村が東成郡へ転属し、東成郡西高津村として町村制を施行。
1897年（明治30年）：大阪市へ編入され、東区西高津となる。
1900年（明治33年）：西高津中寺町の町名が成立。
1925年（大正14年）：天王寺区へ転属。
1943年（昭和18年）：南区へ転属。
1944年（昭和19年）：「西高津」の冠称を廃し、中寺町に改称。
1982年（昭和57年）：中寺1 - 2丁目の現行行政地名に改編。
1989年（平成元年）：東区と南区の合区により、中央区へ転属。

町名の由来

中寺という町名は、その地理的な位置に由来します。東には谷町筋八丁目寺町、南西には下寺町・生玉寺町という寺町があり、それらの中央に位置する寺町であることから「中寺」と呼ばれるようになりました。また、中寺筋を南へ進んだ所には、生玉中寺町（12ヶ寺）という寺町も存在しました（現在の天王寺区生玉町の南東部および同区生玉寺町の北東部）。

寺町としての景観

かつて生玉筋中寺町には24ヶ寺もの寺院が立ち並び、独特の景観を形成していました。現在もその名残をとどめ、寺院が点在しています。

現在の様子

現在の中寺は、歴史的な背景を持ちながらも、静かな住宅地としての顔を持っています。谷町九丁目駅や大阪上本町駅が近く、交通の便も良いことから、大阪市内へのアクセスも容易です。

交通

鉄道
谷町九丁目駅 (Osaka Metro 谷町線)
大阪上本町駅 (近畿日本鉄道)
道路
主要地方道：大阪府道702号大阪枚岡奈良線（千日前通）

その他

郵便番号：〒542-0065（集配局：大阪南郵便局）

まとめ

中寺は、大阪市中央区にあり、歴史的な寺町としての面影を残しつつ、現代的な生活にも適した魅力的なエリアです。交通の利便性も高く、落ち着いた環境を求める人々にとって、住みやすい場所と言えるでしょう。

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