中尾友昭

中尾友昭：異色の経歴を持つ下関市の政治家

中尾友昭（なかお ともあき）は、1949年9月17日生まれ。山口県下関市で生まれ育ち、政治家、税理士として地域に貢献してきました。下関市長を2期務めたほか、山口県議会議員、下関市議会議員を歴任。その多彩な経歴と、市民に寄り添う姿勢で知られています。

生い立ちと学歴

中尾氏は、下関漁港の鮮魚仲卸を営む家庭の長男として誕生。下関市立神田小学校、下関市立向洋中学校、下関市立下関商業高等学校を卒業後、下関唐戸魚市場に入社しました。その後、中央大学法学部通信教育課程に進学し、卒業。さらに東亜大学大学院で企業法学を専攻し、修了しています。また、下関市立大学大学院にも在籍し、地域内分権について研究しました。

政治家としてのキャリア

市議会議員、県議会議員時代

1999年、下関市議会議員に初当選し、政界入りを果たします。その後、2003年には山口県議会議員選挙に出馬し、初当選。「新政クラブ」に所属し、県政に携わりました。

下関市長として

2005年、山口県議会議員を辞職し、下関市長選挙に無所属で出馬しますが、現職の江島潔市長に敗れます。しかし、2009年の下関市長選挙で、林芳正参議院議員らの支援を受け、初当選。江島市政からの転換を掲げ、市政改革に取り組みました。2013年の市長選挙でも再選を果たし、2期にわたり下関市長を務めました。

市長落選後

2017年の下関市長選挙では、自民党籍を持つ前田晋太郎に敗れ、3選はなりませんでした。

その他の活動

政治活動の傍ら、税理士としても活動。2002年には税理士登録を行い、中尾友昭税理士事務所を開設しています。また、ハートフーズ21副社長、中嶋水産社長、下関市立大学非常勤講師、TKC全国会中央研修所常任講師なども歴任しました。

人物像

多彩な資格

税理士の資格に加え、ふぐ処理師（山口県）、地方監査会計技能士（英国勅許公共財務会計協会）など、多彩な資格を保有しています。また、空手道四段、柔道初段、居合道初段の腕前も持ち合わせています。

「長靴をはいた税理士」

魚市場に勤務していた経験から、漁師や養殖業者の経営をサポートする「長靴をはいた税理士」を目指していました。税理士試験には25年かけて合格。市長時代には市役所職員に簿記を奨励するなど、その熱意は広く知られています。

政策と主張

下関市長選挙では、旧市内（特に唐戸地区）に配慮した政策を掲げました。江島市政下で進められていた市役所本庁舎の移転計画を白紙撤回し、本庁舎の補修・耐震補強を優先する方針を打ち出しました。また、旧豊浦郡4町の市役所総合支所の権限強化も提唱しています。

騒動：修士論文を巡るトラブル

下関市立大学大学院に在籍中、修士論文の代わりに提出したエッセイ風の文章が不合格となり、単位取得満期退学となる事態が発生。「納得がいかない」と大学を批判し、情報公開請求を行う意向を示しました。同時に、同じ文章を東亜大学大学院に博士論文として提出し、博士号取得を目指すと表明しました。

受章

2019年、旭日小綬章を受章。

中尾友昭は、下関市の発展に尽力した政治家であると同時に、税理士としても地域経済を支える存在です。その異色の経歴と、多岐にわたる活動は、多くの人々に影響を与え続けています。

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