中島吉謙

中島 吉謙（なかじま よしかね）

1978年2月17日生まれ、日本のプロボクサー。新潟県新潟市出身。現役時代は角海老宝石ボクシングジムに所属。

プロキャリアの歩み

1996年5月15日にプロデビューを飾った中島吉謙は、キャリアの序盤は苦戦を強いられ、最初の4戦で1勝3敗と負け越すなど、成績は不安定なスタートとなった。その後も白星と黒星が交互する状況が続いたが、2000年8月2日には、当時日本バンタム級1位の石川浩久と対戦し、3-0の判定で勝利を収めるなど、上位ランカー相手にも通用する実力を見せ始めた。

日本王座獲得と防衛

石川戦での勝利を機に連勝街道に乗った中島は、2003年6月7日、当時7度目の防衛戦に臨んでいた日本スーパーバンタム級王者の渡辺純一に挑戦。事前の予想では渡辺が優位と見られていたが、中島はこれを覆し、3-0の判定で見事勝利。第28代日本スーパーバンタム級王座を獲得した。王座獲得直後には、その勝利について謙虚な言葉を残している。

初防衛戦は2003年11月15日、WBC世界スーパーバンタム級5位の金井彰宏を相手に行った。中島は当時WBC8位であり、ランキングでは金井が上回っていた。試合は中盤まで金井がリードする展開となったが、8回以降、両者のスタミナに差が生じ始める。9回に右ストレートでダウンを奪うと、最終ラウンドの終盤、左ジャブで逆転のノックアウト勝利を収め、初防衛に成功した。

2度目の防衛戦は2004年3月6日、さいたまスーパーアリーナで行われたトリプル世界戦のアンダーカードとして開催された。日本1位の瀬川設男を迎え撃った中島は、左フックのボディブローで着実にダメージを与え、3-0の判定で勝利。2度目の防衛を果たした。

3度目の防衛戦は2004年6月19日、日本6位の玉越強平を相手に行った。試合開始から玉越が積極的に攻める中、4回に偶然のバッティングで玉越が左目上をカットし出血。ドクターチェックの結果、続行不可能と判断され、4回途中で試合がストップとなった。この試合は負傷引き分けとなり、規定により中島が3度目の防衛に成功した。

世界への挑戦と王座陥落

2004年10月30日、両国国技館で行われた世界戦のアンダーカードで、WBC4位の中島は同5位の西岡利晃と対戦。これは事実上の世界挑戦者決定戦として注目された。激しい打ち合いとなったこの試合で、中島は7回にダウンを喫するなど苦戦。結果は0-3の判定負けとなった。試合後、勝利した西岡は中島の打たれ強さについて言及し、そのタフネスが印象に残る一戦となった。

王座在位最後の試合となったのは、2005年4月16日、日本武道館でのダブル世界戦アンダーカードで行われたWBC4位 vs WBA4位の一戦。挑戦者にWBA4位の木村章司を迎えての4度目の防衛戦は、互いに譲らない攻防が続いたが、4回に中島が右ストレートでダウンを奪われたことが響き、1-2の僅差の判定で敗北。この試合で王座を失い、現役を引退した。

引退後の活動

プロボクサー引退後、中島吉謙はボクシング界との関わりを続けている。2008年には監禁・恐喝容疑で逮捕されたが、その後不起訴となり釈放されている。

現在は、アマチュアボクシングイベント「ザ・おやじファイト」でレフェリーやジャッジを務めるほか、SRSボクシングジムにおいてマネージャーとして活動している。

獲得タイトル

* 第28代日本スーパーバンタム級王座（防衛3）

もう一度検索