瀬川設男

瀬川設男 — 日本の元プロボクサー

瀬川設男（せがわ せつお）は、1968年6月16日生まれの元プロボクサーで、岩手県下閉伊郡山田町が出身地です。彼は1988年のソウルオリンピックでフライ級の日本代表として出場しました。また、日本のバンタム級およびスーパーバンタム級でそれぞれ王者となり、数々の栄光を手にしました。彼のボクシングキャリアは、自身の才能を証明してきた一方で、悲劇的な出来事にも見舞われました。

アマチュア時代

瀬川は、大学時代にアマチュアボクシングでの成功を収めました。1988年のソウルオリンピックや1989年の世界選手権にフライ級代表として参加。惜しくも2戦目で敗退したものの、その後の国体フライ級成年の部では優勝を果たし、1988年と1989年には全日本選手権フライ級の連覇を達成しました。大学卒業後には山形県体育協会に所属し、1992年にはフェザー級で国体優勝を飾りました。

プロボクサーとしてのキャリア

1993年10月にはプロボクサーとしてデビューし、デビュー戦で判定勝利を収めました。その後、1995年2月28日に日本バンタム級王者のグレート金山と対戦し、ダウンを繰り返しながらも勝利を得て王座を獲得。しかし、その試合の数日後、金山が試合後に脳挫傷により亡くなるという悲劇が起き、日本タイトルマッチ初の死亡事故となりました。

リングでの厳しい運命は続き、1996年12月には交通事故に巻き込まれ重傷を負いますが、その後も王座を防衛し続けます。しかし、怪我を理由に王座を返上せざるを得ませんでした。1998年6月3日には、スパーリングの難しさを抱えながらも復帰し、3RTKO勝利を収めました。

同年6月21日、リングネームを川益設男から本名の「瀬川設男」に変更しました。その後、1998年8月にはOPBF東洋太平洋バンタム級王者に挑戦しましたが、判定負けとなり戴冠には至りませんでした。

スーパーバンタム級での挑戦

2000年7月15日には、日本スーパーバンタム級王者の福島学と対戦し、判定で勝利を収め、2階級制覇を達成します。しかし、2001年の防衛戦で敗北し、その後も波乱の連続でした。2002年4月には、元WBA世界ライトフライ級王者である山口圭司を3RTKOで下し、彼にとっての引退試合に突き刺さる形で勝利を収めました。

引退と戦績

2004年に入ると、日本スーパーバンタム級王者の中島吉謙との試合で判定負け、さらにバンタム級王者のサーシャ・バクティンにも敗れ、現役引退へと進みました。実績としては、アマチュア141戦125勝16敗、プロ27戦21勝（12KO）6敗という結果を残しました。

瀬川設男の功績

アマチュア時代の栄冠としては、国体フライ級・成年優勝や全日本選手権フライ級連覇があり、プロでは日本バンタム級とスーパーバンタム級の王座を保持しました。彼のキャリアは、数々の苦難を経ながらも、ボクシング界に貢献した証でもあります。

瀬川設男のボクシング人生は、多くの人に感動と教訓を与えるものでした。彼の経験は、次世代のボクサーにとっての貴重な指針となるでしょう。

もう一度検索