中川久任

中川久任

中川久任（なかがわ ひさと、1871年7月7日 - 1935年7月14日）は、明治時代から昭和時代にかけて活躍した日本の政治家、華族であり、貴族院伯爵議員を務めました。旧姓は浅野、旧名は倉吉でした。

経歴

東京府（現在の東京都）出身。浅野家の分家である浅野懋績の八男として生まれました。その後、伯爵・中川久成の養子となり、1897年（明治30年）5月18日に養父・久成の死去に伴い家督を相続し、伯爵を襲爵。同時に、名を久任と改めました。学習院を卒業後、社会へと進みます。

1909年（明治42年）9月16日、貴族院伯爵議員補欠選挙で当選し、研究会に所属して活動。1911年（明治44年）7月9日まで在任しました。その後、1920年（大正9年）5月8日に再び補欠選挙で再選され、1925年（大正14年）7月9日まで貴族院議員を務めました。貴族院議員としては、研究会に所属し、様々な政策に関与しました。

中川久任は、実業家としても手腕を発揮しました。1923年（大正12年）には、渋谷の道玄坂にあった広大な邸宅を箱根土地（後のコクド）に売却しています。また、国光生命保険相互会社（後の大和生命保険）にも長く勤務し、その経営に携わりました。1927年（昭和2年）には、同社の社長に就任し、経営者としての才能を発揮しました。

1935年（昭和10年）に64歳で死去。墓所は青山霊園にあります。

栄典

1919年（大正8年）7月21日 - 従三位

親族

妻：中川隆子（池田茂政五女）
長男：中川久順（伯爵）
孫：中川久定（久順長男、京都大学名誉教授）
兄：浅野長厚（安芸国広島新田藩第7代藩主）、浅野長之（侯爵）
次女：寛子は小坂武雄の妻

中川久任は、政治家、華族、実業家として多岐にわたる分野で活躍し、日本の近代化に貢献しました。彼の足跡は、日本の歴史に深く刻まれています。

参考文献

人事興信所編『人事興信録 第10版 下』人事興信所、1934年。
『貴族院要覧（丙）』昭和21年12月増訂、貴族院事務局、1947年。
衆議院・参議院編『議会制度百年史 - 貴族院・参議院議員名鑑』大蔵省印刷局、1990年。
霞会館華族家系大成編輯委員会『平成新修旧華族家系大成 下巻』霞会館、1996年。
* 『20世紀日本人名事典 そ-わ』日外アソシエーツ、2004年。

もう一度検索