中川俊郎

中川俊郎のプロフィールと業績

中川俊郎（なかがわ としお）は、1958年に誕生した日本の作曲家およびピアニストで、東京都中野区出身です。彼は桐朋学園大学音楽学部の作曲科を卒業しました。作曲を三善晃氏に、ピアノは末光勝世氏や森安耀子氏に教わり、才能を磨いてきました。

1982年には、ジョン・ケージを迎えた「MUSIC TODAY '82」イベントで、10周年記念国際作曲コンクールに参加し、自作を自演して第1位を獲得しました。彼の作品はジョン・ケージからも評価され、これが彼のキャリアの重要な転機となったのです。1988年には村松賞を受賞し、その後、グループ「アール・レスピラン」のメンバーとして第12回中島健蔵音楽賞も受賞しましたが、現在はこのグループを離れています。

2009年にはサントリー芸術財団により「作曲家の個展2009、中川俊郎」が開催され、それに伴い第28回中島健蔵音楽賞を再び受賞しました。これに加えて、彼はCM音楽の分野でも多くの賞を受け、特に「ACC賞」など名誉ある賞を獲得している作曲家です。

現在、彼は日本現代音楽協会の理事や日本作曲家協議会の常務理事として活動を続け、作曲家団体「深新會」の副代表やお茶の水女子大学の非常勤講師としても関わっています。さらに、1999年から2001年の間、神奈川県立音楽堂のレジデント・アーティストグループ「トリオ・デュ・モンド」を結成し、ヴァイオリン、箏、ピアノ（チェンバロ兼）というユニークな編成で注目を集めました。

2005年には曽我部清典氏や松平敬氏とともに「双子座三重奏団」を結成し、これまでに多くの音楽家とのコラボレーションを行っています。彼の共演者には、コントラバス奏者の池松宏氏、邦楽囃子笛方の福原徹氏、ダンスカンパニー「パパ・タラフマラ」の演出家小池博史氏などが含まれます。特に小池氏とのコラボでは、舞台上で女装してトイピアノを弾くというユニークなパフォーマンスが印象的でした。

また、彼の妻であり、「千と千尋の神隠し」の主題歌で知られる作曲家・歌手の木村弓氏との共同作業も注目されています。

音楽活動の一環として、東芝EMIからは「烏龍茶」のCM音楽を中心にまとめたアルバム“chai”、ピアノソロアルバム“Cocoloni utau”、さらに中国楽器によるクラシックの名曲のカバーアルバム“Chai Classic”などをリリースしています。

また、MBS・TBS系のクイズ番組「ダウトをさがせ!」のオープニング曲「仮面の踊り」や、日産自動車のCM曲「プリマヴェーラ（春）」も手掛けており、これらはアルバム『天才の感触3』にも収録されています。

主な作品リスト

• - 合奏協奏曲 第2番
• - 合奏協奏曲 第3番
• - もの思う葦たち
• - ピアノ協奏曲
• - 影法師 — シューベルトの同名歌曲その他による
• - 室内交響曲第1番
• - Scheme26212928

これらの作品は、彼の多彩な音楽性と革新性を示すものであり、現代日本音楽の担い手としての地位を確立しています。

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