中広大橋

中広大橋：広島の街を見守る橋

広島県広島市中区に位置する中広大橋は、天満川に架かる重要な道路橋です。広島市道中広宇品線（城南通り）の一部を担い、地域の交通を支える役割を担っています。この橋の歴史は、戦前の「北広瀬橋」まで遡ります。北広瀬橋は、天満川に架かる数少ない橋の一つとして人々の生活を支えていましたが、第二次世界大戦の広島への原子爆弾投下により被災、落橋してしまいました。

その後、復興事業の一環として、現在の「中広大橋」が建設されました。開通は1967年（昭和42年）3月。戦災からの復興と、広島市の発展を象徴する橋として、地域住民にとってかけがえのない存在となっています。

地理的な位置と周辺環境

中広大橋は、上流には国道183号と広島電鉄横川線が併用する横川新橋、下流には広島市道天満矢賀線（相生通り）筋の広瀬橋といった橋梁と隣接しています。東詰南側には広島市立広瀬小学校があり、子供たちの通学路としても親しまれています。東へ進むと、寺町通り（国道183号と広電横川線）との交差点があり、広電寺町停留場も近接。さらに東へ進むと空鞘橋を渡り、広島市中央公園や広島城へと至るアクセス道路となっています。

西詰北側には広島西年金事務所があり、西へ進むと広島高速4号線（西風新都線）の中広出入口に接続。高速道路網へのアクセスも良好です。このように、中広大橋は周辺地域を道路で繋ぐ重要な役割を担い、交通の要衝として機能しています。

歴史的背景

藩政時代、広島城下では防衛上の理由から架橋が厳しく制限されていました。天満川には、西国街道筋の天満橋と、出雲石見街道筋の横川橋の2橋のみが許されていました。北広瀬橋は、こうした規制が緩和された明治時代以降に架けられたと考えられます。

当時の周辺には、福島川（現在は廃川）に架かる天神橋、山手川（現在は拡幅されて太田川放水路）に架かる山手橋などの木橋がありました。太平洋戦争中は、北広瀬橋周辺でも建物疎開が行われましたが、1945年（昭和20年）8月6日の原子爆弾投下により、木造の北広瀬橋は焼失してしまいました。

戦後の太田川放水路改修工事によって、天神橋付近は埋め立てられ、現在の都市景観が形成されました。中広大橋は、こうした歴史的経緯を踏まえ、戦後の復興と都市再開発の象徴として建設されたといえるでしょう。

中広大橋の現在

現在の中広大橋は、地域の生活道路として、また広島城や市中心部へのアクセス道路として、重要な役割を果たしています。周辺地域の発展に貢献し、人々の生活を支え続ける、広島の街を象徴する橋の一つです。これからも、人々の生活を支え、広島の歴史と発展を見守っていくことでしょう。

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