中村公輔

中村公輔（なかむら こうすけ）は、1974年7月30日生まれの日本のミュージシャンであり、アレンジャー、レコーディング・エンジニア、作曲家、そしてライターとしても活躍する多才な人物です。早稲田大学第一文学部を卒業しており、その学識の深さが彼の音楽活動にも影響を与えていると考えられます。

1999年には、エレクトロニカ・ユニット「neina」のメンバーとして、ドイツのレーベルMille Plateauxからアルバム『formed verse』をリリースし、そのキャリアをスタートさせました。2000年には、同じメンバーによる別ユニット「繭（maju）」をオーストラリアのExtreme Recordsから発表し、ソロ・プロジェクト「KangarooPaw」を自身のレーベル深海レコードからリリースするなど、精力的な活動を展開しました。彼の作風は非常に幅広く、IDM（インテリジェント・ダンス・ミュージック）から、60～70年代のロックを基調としたフォークトロニカまで、多様なサウンドを表現しています。

2003年には、美術家・小谷元彦のヴェネツィア・ビエンナーレ出展作品『Rompers』のミックスを担当し、その技術力の高さを証明しました。その後も、リミキサー、アレンジャー、レコーディングエンジニアとして、数多くの作品を手掛けています。また、2012年からは大学や専門学校などで講師を務め、後進の育成にも力を入れています。2013年には、人気ロックバンドthe HIATUSのツアーにマニピュレーターとして参加するなど、その活動は多岐にわたります。

教育者としての活動も活発で、2012年4月から2017年3月まで国際アート&デザイン大学校で講師を務め、2014年4月から2017年3月には京都精華大学ポピュラーカルチャー学部音楽コースの講師も担当しました。2013年からは美学校のレコーディングコースで講師を継続しています。

2018年10月には、東京都が主催した「東京150年祭」において、浜離宮恩賜庭園で行われた『初音ミクと振り返るプロジェクションマッピングショー』で、サウンドエンジニアおよびサウンドプロデューサーという重要な役割を担いました。近年では、CM音楽の作曲や、ライターとして各誌へ寄稿するなど、その活動の幅をさらに広げています。

中村公輔は、多様な音楽ジャンルを横断する才能に加え、教育者としての熱意、そして幅広い分野への挑戦を続ける、現代音楽シーンにおいて欠かせない存在と言えるでしょう。

ディスコグラフィー

neina / formed verse (Mille Plateaux, 1999年)
maju / maju-2 (extreme/P-vine, 2000年)
KangarooPaw / KangarooPaw (Shinkhai Records, 2000年)

主な手がけたアーティスト

toe
dill
Natural Punch Drunker
相対性理論と大谷能生
高畠俊太郎
パク・クアンヒョン
服部祐民子
三上ちさこ
フルカワミキ
ビートキャラバン
入江陽
宇宙ネコ子
折坂悠太
Taiko Super Kicks
ルルルルズ
ツチヤニボンド
初音ミク with さとうもか
エンドウシンゴ

連載

2010～2011年 ギター・マガジン「イチからわかる実践DAWテクニック」
2011年～連載中 サウンド&レコーディング・マガジン誌上「カンガルー・ポーのマイク1年生」

著書

カンガルー・ポーのマイク１年生 (2016年10月 リットーミュージック)
名盤レコーディングから読み解くロックのウラ教科書 The Stories behind The Great Recordings (2018年5月 リットーミュージック) ISBN 978-4845632305
エンジニア直伝! クリエイターのためのミックス&マスタリング最新テクニック (2018年7月 リットーミュージック) ISBN 978-4845632688

関連リンク

KangarooPaw Official Web
カンガルー日記(blog)
Discogs: Kohsuke Nakamura
中村公輔ミックス作品

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