中村敏夫

中村敏夫

中村敏夫（なかむら としお、1938年2月18日 - 2015年5月26日）は、日本の著名なテレビプロデューサーであり、実業家としても活躍しました。宮崎県出身。

生涯

1960年に立教大学文学部を卒業後、松竹株式会社に入社。その後、フジプロダクションを経て、1980年にフジテレビに入社しました。フジテレビでは主にドラマ制作に携わり、『北の国から』や『オレゴンから愛』といった国民的なドラマをプロデュースしました。

制作室長、取締役（1997年～2001年）を歴任し、2001年にフジテレビを退職。その後は、フジクリエイティブコーポレーション副社長に就任し、北海道文化放送の取締役（2006年～）、フジアールの取締役なども務めました。

2015年5月26日、急性肺炎のため77歳で逝去。通夜は護国寺桂昌殿で営まれ、タモリや北島三郎など、約550人が参列しました。翌日には同所で葬儀・告別式が執り行われ、倉本聰が弔辞を述べたほか、吉岡秀隆、中嶋朋子、岩城滉一ら約250人が最後の別れを惜しみました。また、『北の国から』で正吉役を演じた中澤佳仁も参列しました。

『北の国から』

1981年10月から放送が開始された『北の国から』は、当初視聴率が伸び悩みました。プロデューサーの中村は、当時の編成局長である日枝久に辞表を提出するほどでした。しかし、同時間帯にTBSで放送されていた『想い出づくり。』との競争の中で、徐々に視聴率を上げ、回を重ねるごとに視聴者からの反響も大きくなりました。最終回では20%を超える高視聴率を記録し、フジテレビは朝刊に異例のお礼広告を掲載しました。このドラマは、中村のプロデューサーとしての才能を強く印象づける作品となりました。

主な作品

松竹時代

女人武蔵 (1971) - 制作

フジテレビ時代

北の国から (1981) - プロデュース
君は海を見たか (1982) - プロデュース
早春スケッチブック (1983) - プロデュース
北の国から'83冬 (1983) - プロデュース
北の国から'84夏 (1984) - プロデュース
オレゴンから愛 (1984) - プロデュース
真夜中の匂い (1984) - プロデュース
ライスカレー (1986) - プロデュース
時にはいっしょに (1986) - プロデュース

フジクリエイティブコーポレーション以降

北の国から 2002 遺言 (2002) - プロデュース
優しい時間 (2005) - 制作総指揮
やがて来る日のために (2005) - 企画
奇跡の動物園〜旭山動物園物語〜 (2006) - プロデュース
拝啓、父上様 (2007) - 制作総指揮
星ひとつの夜 (2007) - 企画
鯨とメダカ (2008) - 制作総指揮
風のガーデン (2008) - 統括プロデュース
ありふれた奇跡 (2009) - 統括プロデュース

参考文献

志賀信夫『映像の先駆者 125人の肖像』日本放送出版協会、2003年3月。ISBN 978-4140807590。

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