中村梅玉 (4代目)

四代目 中村梅玉について

四代目中村梅玉（よだいめ なかむら ばいぎょく）は、1946年8月2日生まれの日本の著名な歌舞伎役者です。彼の屋号は高砂屋で、定紋は祇園守、替紋は祇園銀杏です。梅玉は主に立役として知られ、本名は河村 順之（かわむら としゆき）です。彼は「重要無形文化財」歌舞伎の立役に認定されている「人間国宝」の一人でもあり、また日本芸術院の会員であり、伝統歌舞伎保存会にも所属しています。神奈川県に生まれ、高等学校は青山学院高等部の中退です。

来歴

梅玉は、六代目中村歌右衛門の妻であるつる子の甥にあたります。1955年には、実弟の二代目中村魁春と共に六代目歌右衛門の養子となり、若手時代をスタートさせました。初舞台は1956年に歌舞伎座で行われた『蜘蛛の拍子舞』でした。この時、彼は二代目加賀屋福之助を襲名します。

1967年には、歌舞伎座での『絵本太功記』の十段目で武智十次郎を演じ、『妹背山婦女庭訓・吉野川』には久我之助役で八代目中村福助を襲名します。そして1992年、歌舞伎座の『祇園祭礼信仰記』では此下東吉を、『伊勢音頭恋寝刃』では福岡貢を演じ、四代目中村梅玉を襲名しました。2013年には、日本芸術院の会員に選出され、2022年には重要無形文化財「歌舞伎立役」の保持者としての内定を受けました。

芸風

梅玉の芸風は品位があり、穏やかで、繊細な表現が魅力です。彼は『一谷嫩軍記』の源義経や平敦盛、『太功記』の十次郎、また『吉野川』の久我之助などの貴公子役でその技能を発揮しています。その他にも、眞山青果の『将軍江戸を去る』にて徳川慶喜を演じたり、岡本綺堂の『番町皿屋敷』で青山播磨を演じるなど、多岐にわたる役柄に挑戦しています。また、『仮名手本忠臣蔵』の斧定九郎や『籠釣瓶花街酔醒』の繁山栄之丞など、色悪役も手がけており、その芸域は非常に広いと言えます。

人物

梅玉は、若い役を演じるために「常に輝きを保つことが重要」であり、現代の文化を理解する必要があると考えています。その一環として、流行の音楽を積極的に聴いており、2022年にはYOASOBIのファンであることを明かしています。また、サザンオールスターズのファンでもあり、メンバーの桑田佳祐とも親しい関係です。

彼には実弟として二代目中村魁春が同じく六代目歌右衛門の身内であり、別に六代目中村東蔵も養子として彼に加わっています。梅玉の妻は作家である武者小路実篤の孫で、元バレリーナの武者小路有紀子です。2019年には部屋子の中村梅丸を養子に迎え、中村莟玉という名を名乗らせています。

顕彰

彼の功績は多岐にわたり、1990年には日本芸術院賞を受賞し、2007年には紫綬褒章を受章しています。そして、2022年には重要無形文化財に認定されることが内定し、彼の歌舞伎界における重要性を再確認されています。梅玉の存在は、歌舞伎文化の継承と発展において欠かせないものです。

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