中村英正

中村英正

中村英正（なかむら ひでまさ）は、1967年12月12日生まれの日本の財務官僚です。現在は、こども家庭庁長官官房長を務めています。

生い立ちと学歴

スイスで生まれ、幼少期はタイやアメリカで過ごしました。祖父は会計検査院長を務めた山田義見、父は駐ベルギー特命全権大使を務めた中村順一という家系に育ちました。また、妻は第18代日銀総裁、大蔵大臣を務めた一万田尚登の孫にあたります。筑波大学附属駒場高等学校を卒業後、1991年に東京大学法学部を卒業しました。

キャリア

東京大学卒業後、大蔵省（現：財務省）に入省し、理財局資金第一課（現：財政投融資総括課）に配属されました。当時、財政投融資は郵便貯金を原資としており、郵政省（現：郵政会社）がカウンターパートでした。小泉純一郎大臣が郵便貯金の民営化を主張していたことから、中村氏はその考えに共感し、留学のエッセイのテーマに郵政民営化を選びました。その後、ハーバード大学ケネディスクールに留学し、政策分析の基礎となる経済理論、金融論、統計学、ディベートなどを学びました。

1999年7月には、大臣官房文書課長補佐（審査管理）兼大臣官房秘書課長補佐（調査）として、採用活動にも携わり、多くの学生と議論を交わしました。

在アメリカ合衆国日本国大使館勤務を経て、2004年7月に主計局法規課長補佐（法規一）に就任。2005年7月からは主計局主査（文部科学係）として教育予算を担当し、教員の給与体系にインセンティブな仕組みを部分的に導入しました。

その後、大臣官房文書課法令審査室長、フランスのOECDなどを経て、2014年5月には東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会の企画財務局長＝チーフ・ファイナンシャル・オフィサー（CFO）に就任しました。大会ビジョン策定や2015年から翌年にかけての新エンブレム選考などの統括も担当しました。2018年6月には室伏広治氏と交代で組織委のスポーツ局長に就任し、同時に組織委の大会開催統括であるゲームズ・デリバリー・オフィサー（GDO）も務めました。2021年6月以降は、運営統括であるメイン・オペレーション・センター（MOC）チーフとしてメディアにも出演しました。

2022年7月1日には主計局次長（次席）に就任。同年7月25日からは内閣官房内閣審議官（内閣官房副長官補付）、内閣官房全世代型社会保障構築本部事務局審議官、内閣官房令和3年経済対策世帯給付金等事業企画室審議官を兼務。同年9月14日からは内閣官房令和4年物価・賃金・生活総合対策世帯給付金及び令和3年経済対策世帯給付金等事業企画室審議官も兼務しました。2023年7月4日には財務省大臣官房審議官（主税局担当）に異動。そして、2024年7月5日にこども家庭庁長官官房長に就任しました。

人物

幼少期を海外で過ごした経験から、国際的な視野を持っていると考えられます。また、大蔵省、財務省での経験に加え、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会での活動を通じて、幅広い分野での知識と経験を有していると考えられます。

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