中江郡

中江郡の概要

中江郡（チュンガンぐん）は、朝鮮民主主義人民共和国（北朝鮮）の慈江道に所属する郡である。本郡は朝鮮半島の北部、鴨緑江上流の南岸に位置しており、その厳しい気候条件と豊かな歴史が特徴的である。

地理と気候

中江郡の北側は中華人民共和国と接し、東・東南側は両江道金亨稷郡、西・西南側は慈城郡と隣接している。特に、中江鎮は朝鮮半島で最も寒冷な地域とされており、その気候は極めて厳しい。ここでは、朝鮮半島の観測史上最低気温が記録されており、1933年1月13日には-43.6°Cに達したことがある。この場所は、標高330mに位置し、1月の平均気温は-16.5°Cで、極寒の環境が続いている。

また、ここには15本の橋の一つである臨江鴨緑江大橋が架かっており、重要な交通路となっている。気候変動の影響を受けて、過去100年間で平均気温が約3.1度上昇していることが報告されており、この地域の気候変動問題は他の地域よりも深刻といえる。

歴史

中江郡の領域は1952年に再編成され、それ以前は平安北道に属していた。1949年に慈江道が新設された際、その地域に移属した。1952年には慈城郡から分離されて独立した郡としての地位を確立した。この郡の歴史は、日本統治時代にも影響を受けており、その時期には警察署や憲兵分隊、気象測候所などが設けられていた。

特に1933年には中江鎮の測候所において、厳しい冬の条件下で朝鮮半島の最低気温が記録された。そうした歴史的背景が、現在の中江郡の気候や地域社会に色濃く反映されている。

年表

以下は中江郡に関する重要な年表である。

• - 1952年12月 - 郡の設置に伴い、慈江道慈城郡から中江面・長土面が分離されて中江郡が成立。
• - 1958年 - 早粟里が土城里に編入。連豊里の一部が乾下里に編入。残る連豊里と榛坪里の一部が合併し、新㯖里が成立。
• - 1967年 - 草堂里の一部が分立し烏首里が設立。上長里の一部も分立し石柱里が成立。
• - 1969年 - 石柱里、㯖三里、榛坪里、草堂里が烏首里に編入され、他の里もそれぞれ編入・合併の運びとなった。

これらの変遷を経て、現在は中江邑、湖下労働者区、中上里などの下位行政単位が存在し、地域社会が形成されている。

現在の中江郡

現在、中江郡は以下のような行政単位を含んでいる：

• - 中江邑（チュンガンウプ）
• - 湖下労働者区（ホハロドンジャグ）
• - 中上里（チュンサンニ）
• - 乾下里（コナリ）
• - 中徳里（チュンドンニ）
• - 上長里（サンジャンニ）
• - 章興里（チャンフンニ）
• - 烏首里（オスリ）
• - 土城里（トソンニ）
• - 長城里（チャンソンニ）

このように中江郡は豊かな歴史を背景に持ちながら、現在も厳しい気候に見舞われつつ地域社会としての独自の文化を形成している。

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