中津川 (相模川水系)

中津川について

中津川（なかつがわ）は、神奈川県を流れる河川であり、相模川水系の支流として位置づけられています。この川の流域には、美しい自然と多様な生態系が広がっています。

地理

源流域

中津川の源流は、秦野市の北部に位置する丹沢山地内のヤビツ峠（標高761m）から始まります。川は北向きに流れ、源流から約4km下流のタライゴヤ沢合流点までは藤熊川（ふじくまがわ）として知られています。さらに、3km下流の本谷川（ほんたにかわ）合流点からは布川（ぬのかわ）と名付けられ、この地域は神奈川県道70号線沿いにさまざまな山小屋やキャンプ場が点在しています。人家は少ないものの、自然の豊かさが魅力的です。

このヤビツ峠の近くには「護摩屋敷の水」として知られる名水があり、休日には水を汲むための車で賑わいます。

上流域

本谷川との合流点から中津川と名付けられた後、川は流れを続け、大山を水源とする唐沢川（からさわがわ）などと合流し、宮ヶ瀬湖へと流れ込みます。この宮ヶ瀬湖は、宮ヶ瀬ダムの建設によって生まれた人工湖であり、神奈川県の飲み水としても利用される重要な役割を果たしています。

中・下流域

宮ヶ瀬ダムを越えると、中津川は南東に流れを変えます。このエリアには、ダム建設前に存在した中津渓谷が位置しており、かつては美しい景勝地として親しまれていましたが、ダムによってその姿は大きく変わりました。周辺はダム遊歩道やあいかわ公園に整備され、新たに観光地として注目されています。

中津川は愛川町や厚木市を流れ、厚木市妻田付近で小鮎川と合流し、最終的には厚木市金田で相模川に合流します。

中津渓谷の特徴

中津渓谷（なかつけいこく）は、宮ヶ瀬ダムと宮ヶ瀬副ダムがある場所にかつて存在していた渓谷です。美しい景観が特徴であったこの渓谷は、現在はダム湖に沈んでしまい、その面影はほとんど失われています。しかし、宮ヶ瀬湖の上流、つまり上中津渓谷と呼ばれる地域は、丹沢大山国定公園に指定されており、手つかずの自然が残っています。ここは「東丹沢県民の森」の主な流域となっており、多様な生物が生息するエコシステムが存在しています。

流域の自治体

中津川の流域は、神奈川県内の秦野市、愛甲郡清川村、相模原市、愛甲郡愛川町、厚木市にまたがっています。

流域の山々

この川は丹沢山地中央部の主脈や表尾根、大山山塊、中津山地に囲まれた東丹沢地域を流れています。

東丹沢県民の森

丹沢山地中部に位置する東丹沢県民の森は、丹沢大山国定公園内の森林で、かながわの美林50選や水源の森百選に指定されています。この森は中津渓谷周辺に広がり、貯えられた水は宮ヶ瀬ダムに供給され、上水道や発電に活用されています。また、クマタカをはじめとする多くの動物や広葉樹林が育まれており、自然環境の保全に貢献しています。

家族や友人と共にこの自然豊かな地域を散策し、地元の魅力を体感してみてはいかがでしょうか。

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