中浜一三

中浜一三（なかはま いちぞう）

中浜一三（1908年3月8日 - 没年不詳）は、日本の俳優であり、中濱 一三と表記されることもあります。本名も同じく中浜一三です。大正末期から昭和初期にかけて、松竹蒲田撮影所のB級作品を中心に活躍した二枚目俳優として知られています。

生涯

1908年（明治41年）3月8日に東京府東京市京橋区木挽町（現在の東京都中央区銀座）に生まれたとされています。ただし、『日本映画年鑑 大正13年・14年』には、生年月日が明治40年9月16日、生地が兵庫県神戸市兵庫区であるという記述も存在します。

1914年（大正3年）には6歳で市川壽藏の弟子となり、初舞台を踏みました。その後、兵庫県立神戸第一中学校（現在の兵庫県立神戸高等学校）を中退しています。1924年（大正13年）に16歳で松竹蒲田撮影所に入社し、島津保次郎監督の映画『城ヶ島の雨』でデビューを飾りました。この作品で早くも注目を集め、以後、二枚目俳優として数多くの作品で主演を務めました。

1929年（昭和4年）に発行された『日本映画俳優名鑑 昭和五年版』によれば、当時の住所は東京府東京市神田区表神保町（現在の東京都千代田区神田神保町及び神田小川町辺り）であり、身長は約160.6センチメートル、体重は約54.4キログラム、実兄は南明座の映画技師であったと記録されています。

しかし、1930年（昭和5年）に公開された牛原虚彦監督の映画『若者よなぜ泣くか』以降、出演作品が見当たらず、その後の消息は不明です。トーキー作品への出演はなく、出演作品はすべてサイレント映画でした。没年は不詳です。

主な出演作品

以下は、中浜一三が出演した主な映画作品の一覧です。全て松竹蒲田撮影所で製作され、松竹が配給したサイレント映画です。

『城ケ崎の雨』（『城ケ島』）：1924年、島津保次郎監督
『呪はれたる操』：1924年、島津保次郎監督
『夕立勘五郎』：1925年、吉野二郎監督
『勇敢なる恋』：1925年、島津保次郎監督
『錨の旗風』（『碇の旗風』）：1925年、片桐巌監督
『修羅八荒 第一篇』：1926年、大久保忠素監督
『修羅八荒 第二篇』：1926年、大久保忠素監督
『修羅八荒 第三篇』：1926年、大久保忠素監督
『八百屋お七』：1926年、重宗務監督
『裏切られ者』：1926年、清水宏監督
『ヴェニスの船唄』（『ベニスの船歌』）：1926年、大久保忠素監督
『修羅八荒 終篇』：1926年、大久保忠素監督
『お夏清十郎』：1926年、重宗務監督
『侠妓美弥吉』：1926年、重宗務監督
『幡随院長兵衛』：1927年、吉野二郎監督
『奴の子万』：1927年、重宗務監督
『艶魔』：1927年、重宗務監督
『白虎隊』：1927年、野村芳亭監督
『夜は曲者』（『夜の強者』）：1927年、蔦見丈夫監督
『おかめ』：1927年、五所平之助監督
『旅役者』：1927年、島津保次郎監督
『恋愛二人行脚』：1928年、清水宏監督
『引越し夫婦』：1928年、小津安二郎監督
『恋愛風景』：1929年、島津保次郎監督
『あひる女』：1929年、清水宏監督
『嫁入読本』：1930年、西尾佳雄監督
『尻に敷かれて』：1930年、西尾佳雄監督
『若者よなぜ泣くか』：1930年、牛原虚彦監督

外部リンク

中浜一三 - 日本映画データベース
中浜一三 - KINENOTE

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