中濃大橋

中濃大橋

中濃大橋（ちゅうのうおおはし）は、岐阜県美濃加茂市と可児市の間を流れる木曽川に架設された、国道41号（名濃バイパス）の一部を構成する重要な橋梁です。

建設の背景

この橋が建設された背景には、当時既に老朽化が進み、増加する交通量への対応が困難になっていた太田橋の存在がありました。中濃大橋は、その太田橋から約2キロメートル下流に位置する地点に計画され、主に太田橋が抱えていた交通量負担の軽減を目的として建設されました。これにより、地域の交通網の円滑化と安全性の向上が図られました。

建設地の特性と景観・安全への配慮

中濃大橋が架けられた場所は、風光明媚な木曽川の景勝地であり、特に木曽川ライン下りの起点に近いことに加えて、沿岸一帯が国定公園に指定されているという特別な環境にあります。このような景観保全が求められる地域特性を踏まえ、橋の設計や架設においては、周囲の自然景観との調和に最大限の配慮が払われました。また、木曽川ライン下りなどの遊船の安全な航行を確保するため、橋脚の配置や桁下の高さなどについて、十分な航路幅を確保するための構造的な工夫が凝らされました。

建設プロセス

中濃大橋の架設工事は、効率的な施工と早期供用を目指し、大きく二つの段階に分けて行われました。まず上流側の橋梁部分が第一期工事として施工され、続いて下流側の部分が第二期工事として実施されました。ただし、橋を支える下部構造の工事に関しては、後工程での手戻りといった非効率が生じないよう、第一期と第二期の両方について同時に施工が進められました。このような段階的ながらも計画的な工法が採用されたことが、橋の完成に繋がりました。

橋の構造と諸元

中濃大橋は、主要な部分である主橋と、河川敷部の水抜きを目的とした水抜橋から構成されています。1969年（昭和44年）に第一期部分の供用が開始されました。

橋全体の延長は380メートルであり、そのうち主橋部分が260メートル、水抜橋部分が120メートルを占めています。

橋の形式は、主橋部分に三径間有鉸ラーメン箱桁橋という形式が採用されており、この構造はデビイダーク方式という工法を用いて建設されました。一方、水抜橋部分には三径間連続箱桁橋という形式が用いられ、こちらはフレシネー方式によって施工されています。中央径間は120メートルです。

橋の幅員は20.5メートルが確保されており、これにより4車線の車道と歩道が設置され、十分な交通容量と歩行者の安全が確保されています。

中濃大橋が結ぶ区間は、岐阜県可児市土田から岐阜県美濃加茂市太田本町に至ります。

沿革

中濃大橋の建設に関わる主な出来事は以下の通りです。

1967年（昭和42年）11月15日: 橋梁建設の起工式が執り行われ、工事が正式に開始されました。
1969年（昭和44年）4月6日: 橋梁の竣工式が挙行され、第一期部分の完成と供用開始を迎えました。

参考文献

本記事の作成にあたっては、建設省中部地方建設局岐阜国道工事事務所が昭和54年に発行した「岐阜国道二十年のあゆみ」が参考にされています。

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