中田一郎

中田一郎

中田一郎（なかた いちろう、1937年3月1日 - ）は、日本の東洋史学者で、西アジア・中東史を専門としています。中央大学名誉教授であり、古代オリエント博物館の館長を2010年から2016年まで務めました。

経歴

1963年に早稲田大学文学部を卒業後、同大学院西洋史学専攻の博士課程を中退しました。その後、ヒブルー・ユニオン・カレッジ大学院に留学し、1966年に修士課程を修了。さらにコロンビア大学大学院博士課程に進み、1974年にPh.D（博士号）を取得しました。博士論文のテーマは、『マリから出土した古代バビロニアの神についてのテクストの分析』です。

帰国後、中央大学文学部の助教授に就任し、後に教授に昇進しました。2007年に中央大学を定年退職し、名誉教授の称号を得ました。学術研究に貢献したことが評価され、2017年には第3回三笠宮オリエント学術賞を受賞しています。

業績

中田一郎は、メソポタミア文明やハンムラビ王に関する研究で知られています。彼の研究は、古代西アジア・中東地域の歴史、文化、社会に対する理解を深める上で重要な貢献をしています。

著書

『メソポタミア文明入門』（岩波ジュニア新書、2007年）
『ハンムラビ王』（山川出版社・世界史リブレット、2014年）

翻訳

『古代オリエント資料集成 ハンムラビ「法典」』（リトン、1999年）
デニス・シュマント=ベッセラ『文字はこうして生まれた』（小口好昭共訳、岩波書店、2008年）

中田一郎の研究は、専門家だけでなく、一般の読者にとっても古代オリエント世界への関心を深めるきっかけとなっています。彼の著作や翻訳は、古代史を学ぶ上で貴重な資料として広く活用されています。

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