中国棋院

中国棋院は、中華人民共和国の国家体育総会の下部組織として、中国国内における様々な棋類（きるい）と呼ばれるボードゲームを統括する重要な役割を担っています。1992年に設立され、囲碁、シャンチー（象棋）、チェス（国際象棋）、連珠（五子棋）、ブリッジ、麻雀といった幅広い分野を管轄しています。

組織と運営

中国棋院は、単なる競技団体ではなく、中国の棋類文化の発展と普及を目的とした組織です。主な活動としては、プロおよびアマチュアの大会開催、次世代を担う棋士の育成、競技ルールの制定などが挙げられます。各地方を統括する組織として、上海棋院や成都棋院などが存在し、中国棋院と連携しながら活動を行っています。

組織体制としては、国家体育総局の事業機関という位置づけであり、初代院長には囲碁の名棋士である陳祖徳が就任しました。その後、王汝南、華以剛といった著名な棋士が院長を歴任し、現在は朱國平が院長を務めています。内部組織としては、囲棋部、象棋部、国際象棋部などが設けられ、それぞれの競技分野における専門的な活動を推進しています。

棋士ランキング

中国棋院は、棋士のレベルを客観的に評価するため、1997年から独自のランキング制度を導入しています。囲碁、チェス、シャンチー、ブリッジの棋士を対象に、成績に応じた点数制によるランキング「中国囲棋棋手排名」を制定し、定期的に発表しています。当初は年3回の発表でしたが、2013年からは毎月発表されるようになり、棋士のモチベーション向上や競技レベルの底上げに貢献しています。

国際交流と施設

中国棋院は、国際交流にも積極的に取り組んでおり、海外の棋院からの短期留学を受け入れています。日本の人気漫画『ヒカルの碁』では、日本の囲碁棋士が中国棋院の施設に滞在するエピソードがあり、そのレベルの高さが描写されています。

本部は北京の天壇公園の近くに位置し、新館と旧館の2つの建物から構成されています。旧館は、日中友好の一環として日本の援助によって建設され、日本の建材が数多く使用されています。新館には、対局室や貴賓用対局室、宿泊施設などが設けられており、2008年には大幅な改修が行われました。かつては、韓国棋院と交互に、世界囲碁選手権富士通杯の準々決勝の会場としても使用されていました。

関連組織

中国棋院に所属する各競技の棋士は、それぞれの専門分野に応じて、中国囲棋協会、中国チェス協会、中国象棋協会、中国ブリッジ協会などに所属しています。これらの協会は、競技の普及や振興、棋士の育成など、それぞれの分野における専門的な活動を行っています。

まとめ

中国棋院は、中国の棋類文化を代表する組織として、競技の普及、棋士の育成、国際交流など、多岐にわたる活動を展開しています。その活動は、中国国内のみならず、世界の棋類文化の発展にも貢献しています。

もう一度検索