中華民国海軍陸戦隊特勤隊

中華民国海軍陸戦隊特勤隊の概要

中華民国海軍陸戦隊特勤隊、通称CMC（China Marine Corps Special Service Company）は、特殊任務を遂行するために設立された中華民国海軍の一部隊です。1995年の華興演習を契機にその存在が公にされるまで、その詳細は極秘に包まれていました。特勤隊の主な役割は、台湾南部の海域におけるテロ行為への対処や、不法行為の防止にあたる警察活動、また他国の特殊部隊訓練を担うことです。

設立背景

特勤隊は1980年に設立され、そのはじまりは高空特種勤務中隊から始まりました。それ以前には中華民国憲兵特勤隊が1978年に設立されており、これが特勤隊設立の土台となっています。初代特勤隊長は、両棲偵捜営の長である李麟連中校が就任しました。

この部隊に所属する隊員は、常備士官の中から選ばれるものの、両棲偵捜営から志願する軍士官も対象とされています。合格者は高度な訓練を経て、最低でも5年間の服役が求められ、その後に特勤隊に配属されます。特勤隊は陸戦特勤隊と海軍水中爆破大隊が統合され、海軍両棲偵捜大隊の一部として機能しています。これらの隊員は、多様な任務に応じて編成される小隊に所属し、責任の範囲に応じて特定の訓練を受けます。

選抜基準と訓練

特勤隊の選抜基準は非常に厳格で、家族の経歴や身体的条件、知能など多岐にわたります。具体的には、家族において三代にわたり清廉潔白であること、身長は170cm以上で、体重は60kgから80kgの範囲内、視力は裸眼で1.5以上、IQは110以上、格闘技経験があることなどが条件です。また、身体に刺青や欠陥がないことも重要視されています。

新兵訓練は通常12か月かけて行われますが、最近では9か月に短縮されています。訓練は三段階に分かれており、各段階では10km以上の武装走行や武装泳法を行います。この他にも総合武術訓練や山岳訓練を取り入れた厳しい鍛錬が行われ、各段階の終了時には再度10km走が課せられます。合格した者は陸戦特勤隊に加入する資格を得ますが、合格率は毎年5%以下と非常に競争が激しいです。

特勤隊に配属された後も、更なる専門訓練が施されます。内容は格闘訓練、武器取り扱いや潜水、反テロ訓練や空挺訓練など多岐にわたります。さらに、コンピュータ訓練や情報処理の技術も求められるため、隊員は多方面にわたるスキルを身に付ける必要があります。

主な実績

特勤隊は、1987年の岩灣監獄での暴動鎮圧や、2015年には高雄市での脱獄事件への対処を行い、その実績は評価されています。これらの事例は特勤隊の迅速かつ効果的な対応を示すものであり、運用の成功を裏付けています。

装備

特勤隊では、様々な種類の武器を使用しています。具体的には、拳銃としてベレッタM92F、H&K USP、SIG SAUER P226、グロック19などがあり、短機関銃では77式短機関銃やUZIなどを使用しています。また、狙撃銃や散弾銃も装備しており、任務に応じた多様な武器の運用が可能です。

このように、中華民国海軍陸戦隊特勤隊は厳重な選抜を経て、高度な訓練を受けた隊員によって構成されており、さまざまな特殊な任務において確固たる地位を築いています。

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