中蓮寺峰

概要

中蓮寺峰（ちゅうれんじみね）は、日本の四国地方、香川県と徳島県の府県境を成す讃岐山脈の一部を構成する山である。標高は756メートルを測る。山頂には四等三角点が設置されており、その地点は行政区分としては香川県三豊市側に位置している。その自然環境の美しさや保全状況が評価され、香川県によって「香川のみどり百選」の一つにも選ばれている。

地理

この峰は、香川県三豊市と徳島県三好市との県境線に沿って連なる讃岐山脈の尾根上に位置している。具体的には、讃岐山脈の西端に位置する雲辺寺山（うんぺんじさん）から東へと続く山並みの一部であり、特に猪ノ鼻峠（いのはなとうげ）へと至る稜線上で、標高787メートルの若狭峰（わかさみね）と共に prominent な存在感を示している。讃岐山脈は、全体として香川県と徳島県の自然上の境界としての役割を担っており、中蓮寺峰もその重要な一角を占めている。山頂には設置された四等三角点は、国土地理院による測量の基準点であり、正確な位置と標高を示すものである。この三角点は、前述の通り、行政上の県境線よりもわずかに香川県三豊市側に位置していることが確認されている。この山域は、豊かな植生に覆われた自然環境が保たれており、四季折々の表情を見せる。このような緑豊かな自然景観が評価され、香川県が選定する「香川のみどり百選」の一つに数えられている。

名称の由来

中蓮寺峰という山名が、この山の近くに位置していたとされる古刹「中蓮寺」に由来すると伝えられていることは、この山域の歴史を知る上で興味深い事実である。伝承によれば、中蓮寺は平安時代に創建されたとされ、当時の有力な寺院であった雲辺寺の隠居所として開かれたとも言われている。この寺院は、山の南側にあたる徳島県三好市（旧池田町）の下野呂内（しものろうち）地区、標高およそ600メートルほどの場所に位置していたとされる。しかし、戦国時代に入り、土佐国の戦国大名である長宗我部元親が阿波国へと勢力を拡大する過程で、残念ながら中蓮寺はその兵火に巻き込まれ、伽藍は焼失してしまったという。このため、現在ではその跡地が残るのみで、寺院そのものは現存していない。このように、今は失われてしまった往時の寺院の名が、現代までこの山の名前として語り継がれているのである。この名称の由来は、古くからこの山が人々の生活や信仰と深く結びついていたことを示唆している。

関連情報

中蓮寺峰を理解する上で、それが属する広大な讃岐山脈という山系全体の文脈や、隣接する若狭峰との位置関係も重要な情報となる。

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