中部高原

中部高原（テイグエン）について

ベトナムの中部に位置する中部高原、またはテイグエンと呼ばれる地域は、コンツム高原、プレイク高原、ダクラク高原など、複数の高原で構成されています。この地域は、古くからキン族以外の先住民族が居住しており、多様な文化が育まれてきました。

地理

中部高原は、標高の異なる複数の高原が連なって形成されています。主な高原としては、標高500mのコンツム高原、標高800mのプレイク高原とダクラク高原があります。これらの高原は、豊かな自然に恵まれ、多様な動植物が生息しています。

歴史

この地域には、ジャライ族、エデ族といったマレー・ポリネシア語族や、バーナー族、セダン族、コホ族など、多様な民族が古くから暮らしています。かつては、チャンパ、カンボジア、ラオスなどが緩やかな宗主権を主張していましたが、19世紀にフランスがベトナム（安南）に組み込みました。その後、第一次世界大戦後には、ゴムやコーヒーなどのプランテーションが拡大し、地域経済に大きな影響を与えました。

ベトナム戦争時、中部高原は激戦地となりました。エデ族などの先住民族は、フルロ（被制圧民族闘争統一戦線）を結成し、南北ベトナム政府からの独立を目指しました。また、ホーチミン・ルートがこの地域を通っていたため、戦略的にも重要な場所でした。

行政区分

現在、中部高原は5つの省に区分されています。

ダクラク省 - バンメトート
ダクノン省 - ザーギア
ザライ省 - プレイク
コントム省 - コントゥム
* ラムドン省 - ダラット

これらの省は、それぞれ独自の文化や歴史を持ち、観光資源としても注目されています。

住民

中部高原には、多様な民族が暮らしています。主な民族としては、ジャライ族、エデ族などのマレー・ポリネシア語族、バナール族、セダン族、コホ族などが挙げられます。これらの民族は、独自の言語や文化、伝統を守りながら生活しています。

言語

この地域では、モン・クメール語族に属する言語が話されています。各民族は、独自の言語を持ち、多様な言語文化が形成されています。

宗教

中部高原では、伝統的なアニミズム信仰を持つ人々が多くいます。また、キリスト教や仏教を信仰する人もいます。宗教は、人々の生活や文化に深く根付いており、社会生活にも影響を与えています。

このように、中部高原は、多様な民族と文化、そして豊かな自然に恵まれた地域です。歴史的な背景や地理的な特徴から、ベトナムの中でも特異な場所と言えるでしょう。

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