中野滋樹

中野滋樹（なかの しげき）氏は、1980年8月1日に大分県臼杵市に生まれた、日本の元社会人野球選手であり、現在は指導者として、そしてチームの指揮を執る監督を務めている人物です。現役時代のポジションは捕手でした。

柳ヶ浦高等学校に進学し、同級生であった古卿大知選手と共に、2年次の夏から正捕手としてレギュラーの座を掴みました。高校3年生の夏には、全国高等学校野球選手権大会、いわゆる夏の甲子園に出場。しかし、初戦で当時松坂大輔投手らを擁し、この大会で優勝を果たす強豪、横浜高校に惜しくも敗れました。

高校卒業後、東洋大学へ進学しましたが、大学野球部では2学年上に小川将俊選手（後に中日ドラゴンズに入団）、また同級生には飯田庸資選手といった優れた捕手が存在したため、主に控え捕手としてプレーしました。

大学を卒業後、ミキハウスに入社し、社会人野球選手としての道を歩み始めました。入社1年目となる2003年から、すぐさまチームのレギュラー捕手として起用され、活躍を見せました。特に同年の社会人野球日本選手権では、打撃面でその才能を発揮し、見事に首位打者賞を獲得。チームをベスト4まで導く原動力となりました。準決勝では、後にプロ野球（阪神タイガース）で活躍する能見篤史投手を擁する大阪ガスに敗れ、決勝進出はなりませんでした。

2004年シーズン終了後、所属していたミキハウス野球部が、企業のスポーツ活動見直しに伴い規模を大幅に縮小することとなり、中野氏は新たな所属先を探すことになりました。この時、かつてミキハウスを指揮し、当時JR九州の監督を務めていた吉田博之氏から誘いを受け、JR九州への移籍を決断しました。

JR九州に移籍後も、その実力はすぐに認められ、移籍1年目から正捕手としてチームの扇の要となりました。卓越した捕球技術と巧みなリードで、小松聖投手（後にオリックス・バファローズ入団）、藤岡好明投手（後に千葉ロッテマリーンズ入団）、さらには補強選手として加わった川崎雄介投手（後に千葉ロッテマリーンズ入団）といった投手陣の能力を最大限に引き出し、チームの躍進に貢献。2005年の都市対抗野球大会ではチームをベスト4進出へと導きました。また、同年秋の日本選手権九州予選の第1代表決定戦では、決勝点となる本塁打を放つなど、勝負強い打撃でも存在感を示しました。

2006年には、ベテラン捕手であった高根沢力氏の引退を受け、アマチュア野球日本代表チームに初めて招集されました。鈴木健司氏らと共に代表の正捕手候補として期待を集め、以降も多くの国際大会で日の丸を背負いました。特に30歳を過ぎてからも日本代表に選出されるなど、社会人野球選手としては異例ともいえる、息の長い選手生活を送りました。

現役を引退した後は、そのままJR九州硬式野球部でコーチとして後進の指導にあたりました。2021年シーズンをもってコーチ職を退任しましたが、その経験と手腕を買われ、2023年1月1日付けで、かつて自身が正捕手としてチームを支えたJR九州硬式野球部の監督に就任しました。

日本代表としての国際大会出場歴、および社会人野球で獲得した主な表彰・タイトルは以下の通りです。

日本代表キャリア:
第23回ハーレムベースボールウィーク（2006年）
第15回アジア競技大会（2006年）
第16回IBAFインターコンチネンタルカップ（2006年）
第39回IBAFワールドカップ（2011年）
第26回アジア野球選手権大会（2012年）
第6回東アジア競技大会（2013年）
第17回アジア競技大会（2014年）
2015年アジア野球選手権大会（2015年）

主な表彰・タイトル:
社会人野球日本選手権首位打者賞（2003年）
都市対抗野球大会首位打者賞（2010年）
社会人ベストナイン（捕手部門、2010年）
都市対抗野球大会10年連続出場表彰（2014年）

もう一度検索