中野登美雄

中野登美雄 - 日本の法学者

中野登美雄（なかの とみお、1891年7月13日 - 1948年5月21日）は、日本の法学者であり、早稲田大学の第5代総長としてその名を知られています。彼の専門分野は公法学であり、教育者、研究者として多大な影響を与えました。

人物・来歴

中野は1891年に北海道札幌市で生まれ、後に中野家の養子として育てられました。1913年には早稲田大学高等予科を卒業し、1916年に大学部政治経済科を卒業。その後、研究科に進学し、副島義一や中村進午の指導のもと、国法学や国際法学を学びました。1918年にはアメリカ合衆国に留学し、シカゴ大学で語学や文化を学んだ後、ジョンズ・ホプキンズ大学で政治学、公法学を専攻しました。1922年には「命令論」というテーマでPh.D.の学位を取得。

その後、ドイツやフランスで研究を続けた中野は、1923年に日本に帰国し、早稲田大学の助教授に就任。1924年には教授に昇進し、1936年には論文「統帥権の独立」を通じて学位授与の認可を受けるなど、着実にその地位を確立していきました。

教育・学問の業績

中野は、1927年から1941年まで政治経済学部の教務主任を務める一方、立教大学経済学部の教授としても活躍しました。そして、1944年から1942年までは早稲田大学の政治経済学部長を兼ねた他、常務理事に就任。1944年には早稲田大学の総長に任命され、1946年に辞職するまで教育をリードしました。失意の後、彼は公職追放の対象となり、1948年に58歳で亡くなるまで、その業績は語り継がれています。

家族

中野の妻である清は、巌本善治と若松賤子の長女であり、彼の息子には中野徹雄、また孫にはアメリカ研究者の中野聡がいます。

著作

彼は著作家としても知られ、多くの注目すべき著作を残しました。主要な著作には以下が含まれます:

• - 『命令論』
• - 『国法及び国法史の研究』
• - 『法律綱要 公法編』
• - 『統帥権の独立』 など。

これらの作品は、日本の法学や公法学の発展に寄与し、彼の理論は現代においても引き続き参照されています。

最晩年と影響

1946年には大日本言論報国会の理事として公職追放を受けました。1948年5月、狭心症により早稲田大学近くの自宅で逝去し、享年58歳の生涯を閉じました。彼の研究や教育の理念は、日本の法学界において今なお重要な位置を占めており、彼の足跡をたどることは、多くの法学者や学生にとって貴重な参考になります。

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