丸山 (北海道十勝支庁)

丸山火山について

丸山（まるやま）は、北海道の新得町と上士幌町の境に広がる火山で、標高1,692.1mを誇る第四紀火山です。活火山に指定されており、1990年代までは存在すら知られていなかったという意外な経歴を持っています。特徴的な小型火山で、直径は約2.5㎞、比高にして約600mです。主成分は安山岩からデイサイトにかけて多様で、約10万年前以降から活動を続けてきました。

最も最近の噴火は1898年の12月3日に起きた水蒸気噴火であり、この噴火によって第1火口が形成されました。丸山の山体は安山岩を主体とした溶岩流によって構成されています。さらに、山頂から北西に向かう火口列には、3〜4個の溶岩円頂丘が形成されており、数千年前から100年前にかけて頻繁に発生した爆裂火口の活動が観察されています。特に1898年以前の噴出物は、他の火山由来の火山灰に覆われ、その成り立ちから1694年以前にさかのぼる活動の痕跡が認められています。

爆裂火口列は山頂から北西方向へ延びており、第3火口では微弱な噴気活動が見られるものの、現在のところ、火山活動は比較的静穏な状態です。また、北海道には数ヶ所のみ存在する噴泉塔群が丸山の山腹に存在します。特に五ノ沢の標高1,020m地点には、年間に7cm成長すると言われている噴泉塔があります。

研究の進展

かつて丸山は、研究者たちから活発な火山と見なされていなかったものの、登山者たちの間では火口や噴気活動の存在が知られていました。この状況に変化がもたらされたのは1988年から1989年にかけての十勝岳での噴火及び、それに伴う群発地震でした。この地震活動を受けて、1989年7月には初めて山頂部の調査が行われ、さらに明治時代の文献調査が進む中で、1898年の噴火が確認されました。そして、1991年2月には丸山が公式に活火山として認定されました。

登山情報

丸山への登山は整備された登山道が少ないため、少々冒険的な側面があります。一般的には、五ノ沢または六ノ沢を遡るコースが利用されます。登山を計画する際は、十分な準備と情報収集を行い、安全に留意してください。

研究者や登山客にとって、丸山はおおいに魅力的な場所であり、自然の力を感じることができます。火山としての特徴や地質学的な魅力が詰まったこの場所を訪れることは、忘れられない体験となるでしょう。

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