丸山誠治

丸山誠治について

生い立ちと教育

丸山誠治（まるやま せいじ）は1912年6月15日に山口県山口市で生まれました。彼は1933年に再興官立旧制山口高等学校を卒業し、その後京都帝国大学（現・京都大学）の法学部に進学しました。在学中は大学交響楽団の第一バイオリンとしても活動しており、映画音楽の演奏にも携わっていました。

映画業界への道

1936年に大学を卒業後、丸山は当時の映画会社PCL（後の東宝）に入社しました。黒澤明や関川秀雄と同期であり、早速山本嘉次郎の助監督として映画制作に携わります。しかし、日中戦争で兵役に就くこととなり、いくつかの戦争を経て映画監督としてのキャリアは一時停滞します。

監督デビューと初期の作品

1951年、師である山本嘉次郎脚本の映画『三太物語』で監督デビューを果たします。その後、彼はホームドラマを中心に多数の作品を監督し、1954年の『君死に給うことなかれ』では、有馬稲子の代役として起用した司葉子が注目を浴び、女優としての地位を確立させました。

硬派な作品への挑戦

1955年の『男ありて』や1965年の『太平洋奇跡の作戦 キスカ』では、スポーツや戦争をテーマにした硬派な作品を手掛けました。特に『キスカ』では、関係者への綿密な取材を行い、キスカ島守備隊の生存者をアドバイザーに迎えるなど、リアリティを追求しました。この作品によって、彼は戦争映画における力量を認められ、以降東宝は年に一本の割合で戦争映画を製作するようになります。

大作映画と家族ドラマ

1967年以降、丸山は三船敏郎主演の『連合艦隊司令長官 山本五十六』や『日本海大海戦』など、制作規模の大きな作品に挑戦しました。特に『日本海大海戦』は特撮とドラマの融合が見事であり、映画の完成度を高めるための手腕が光りました。彼は多様な登場人物を描き出し、家族ドラマや青春ドラマを巧みに織り交ぜた群像劇を得意としました。

キャリアの終焉

1979年にフリーとなった丸山は、日豪合作の戦争映画『南十字星』を最後に現役から引退します。彼の映画制作における功績は、日本映画界において非常に大きなものであり、多くの名作を残しました。1989年11月22日、77歳でこの世を去りました。

監督した主な作品

• - 三太物語（1951年）
• - 君死に給うことなかれ（1954年）
• - 男ありて（1955年）
• - 太平洋奇跡の作戦 キスカ（1965年）
• - 連合艦隊司令長官 山本五十六（1968年）
• - 日本海大海戦（1969年）
• - 南十字星（1982年）

丸山誠治の作品は、日本映画の歴史において重要な位置を占めており、彼の手腕は今なお多くの映画ファンや評論家に評価されています。

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