丸島隆雄

丸島 隆雄（まるしま たかお）

神奈川県平塚市を拠点とする郷土史研究者であり、柔道史の研究でも知られる丸島隆雄氏。1962年に神奈川県平塚市で生まれ、東海大学文学部史学科を卒業した彼は、地域に根ざした歴史研究を行い、特に平塚および相模国に関する多くの論文や著作を発表しています。

彼の研究はその質の高さから評価を受けており、特に「相模国中郡煤ヶ谷村における由井正雪一党搦取の一件」は、新人物往来社主催の郷土史研究賞で特賞を受賞しました。この論文では、慶安の変において煤ヶ谷村で起こった出来事の詳細を掘り下げ、地域史に新たな光を当てています。

主要な研究と論文

丸島氏は1987年に発表した「近世前期相模と中原代官」で、相模国の幕僚支配を中心にした研究を展開しました。この作品は、村上直らから「興味深い好論」との評価を受け、その後も着実に研究を続けてきました。1988年には中原代官と小田原藩の関係を探った「中原代官と小田原藩」を発表し、さらなる関心を集めました。

いくつかの論文では、平塚を拠点とする佐奈田義忠の歴史や、地域における伝説や戦いについての考察を行っています。彼が執筆した『図説平塚の歴史』では、地域の魅力や文化についてさらに広く伝える役割を果たしています。

趣味としての柔道研究

丸島氏のもう一つの大きな関心事は柔道の歴史です。1987年には『格闘技通信』のライター公募に応募し、「前田光世とシュート柔道」と題された記事が採用されました。この企画に続く連載「明治の柔道家・前田光世ー過激なる異種格闘の生涯」では、日本国内ではあまり知られていなかったブラジリアン柔術の先駆者、エリオ・グレイシーに関する情報も紹介をしています。

彼の著書『前田光世––世界柔道武者修業』や『講道館柔道対プロレス初対決 大正十年・サンテル事件』は、格闘技の歴史を知る上で貴重な資料とされています。特にサンテル事件については、詳細なリサーチに基づいており、格闘技評論家の斎藤文彦からも高く評価されています。

文化活動と未来への展望

丸島氏は歴史研究に留まらず、紙芝居作りにも取り組んでおり、神奈川県立図書館長賞を受賞した経験があります。彼の活動は、平塚の歴史や人物を物語的に伝えることで、地域の文化を次世代に伝える重要な役割を果たしています。これからも彼の郷土史研究と柔道史の活動に期待が寄せられています。

彼の活動は、地域の歴史に根ざした理解を深めるとともに、柔道の伝統を今に伝える大切な役割を担っています。

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