丸御厨

丸御厨（まるのみくりや）

丸御厨は、平安時代末期に安房国朝夷郡（現在の千葉県南房総市丸本郷付近）に存在した御厨（みくりや）、つまり伊勢神宮の荘園です。

歴史

成立: 平治元年（1159年）に源義朝が伊勢神宮に寄進したことで成立しました。
源氏との関わり: 『吾妻鏡』によると、丸御厨は河内源氏の祖である源頼義が前九年の役での功績により朝廷から恩賞として与えられた土地でした。その後、源為義から義朝へ譲られ、義朝は頼朝の昇進を祈願して伊勢神宮に寄進しました。その結果、頼朝は同月28日に蔵人に任官されたとされています。
丸氏: 地元の領主である丸氏は代々源氏の家人でした。
源頼朝の巡検: 石橋山の戦いで敗れて安房に逃れた源頼朝は、治承4年（1180年）9月11日に丸五郎信俊を案内人として丸御厨を巡検しました。その際、平家討伐を成し遂げた暁には、安房国中に新しい御厨を建立し、重ねて伊勢神宮に寄進するという自筆の願書をしたためたと言われています。

地理

丸御厨は現在の千葉県南房総市丸本郷付近に位置していたと推定されています。

関連事項

東条御厨: 同じく安房国に存在した伊勢神宮の御厨です。

参考文献

小笠原長和 編『千葉県の地名』 平凡社、1996年、ISBN 4-582-49012-3、1127頁

丸御厨は、源氏の歴史と深く結びついた場所であり、源頼朝が再起を誓った地として、その名を歴史に刻んでいます。

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