丹呉泰健

丹呉泰健（たんご やすたけ）は、1951年3月21日に東京都新宿区矢来町で生まれた日本の大蔵官僚です。彼は、そのキャリアを通じて、財務事務次官、日本たばこ産業会長など、数々の要職を歴任しました。

生い立ちと学歴

丹呉は、1969年3月に開成高等学校を卒業し、1974年3月には東京大学法学部第2類（公法コース）を卒業しました。法学部在籍中には、法律よりも政治学や社会学に強い関心を持っていたとされています。

大蔵省入省から財務事務次官へ

1974年4月、丹呉は大蔵省に入省し、大臣官房文書課に配属されました。初期には、コピーや清書、会議への陪席、決裁の審査などの業務を担当しました。当時の大蔵省では、新人が単独で質問対応を行うこともあったそうです。その後、大臣官房調査企画課、主計局総務課調査主任などを経て、1979年7月には大垣税務署長に就任しました。

1980年代には、日本開発銀行人事部、関税局企画課長補佐、主計局主計官補佐などを歴任し、1989年5月からは外務省在カナダ日本国大使館の一等書記官として海外勤務も経験しました。帰国後は、主計局主計企画官、主計局主計官（厚生・労働担当）、大臣官房文書課長などの要職を歴任。

2000年6月には主計局次長に昇進し、2006年10月には理財局長に就任しました。その後、大臣官房長、主計局長を経て、2009年7月には財務事務次官に就任しました。同期入省者からの次官就任は21年ぶりであり、注目を集めました。

退官後

2010年7月に財務省を退官した後も、丹呉は多方面で活躍を続けました。日本経済団体連合会主査、読売新聞グループ本社監査役、財務省財務総合政策研究所研究員などを務め、2012年12月には内閣官房参与（財政、社会保障担当）に就任しました。

2014年6月には日本たばこ産業取締役会長に就任し、2015年4月からは開成学園理事長・学園長も兼務しました。また、大垣共立銀行の取締役や横綱審議委員会の委員も務めるなど、幅広い分野でその手腕を発揮しました。2020年9月には文部科学省文化審議会委員に就任、2022年3月には日本たばこ産業取締役会長を退任しました。2024年4月には、瑞宝重光章を受章しました。

その他

丹呉に関連するエピソードとして、政府税調会長であった本間正明氏の愛人問題が発覚した際、その情報をリークしたのは丹呉ではないかという噂が流れました。

丹呉泰健は、そのキャリアを通じて日本の財政・経済政策に深く関与し、退官後も様々な分野で重要な役割を果たし続けています。彼の幅広い知識と経験は、日本の社会に大きな影響を与え続けています。

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