丹後田辺藩

田辺藩の歴史と沿革

概要

田辺藩（たなべはん）は、江戸時代に丹後国に存在した藩であり、明治維新後には舞鶴藩（まいづるはん）と改称されました。藩の中心は田辺城があり、現在の京都府舞鶴市の地にありました。

藩史の前史

丹後国は元々、一色氏が守護を務めていましたが、1579年、細川藤孝が明智光秀と共に一色氏を滅ぼし、新たに丹後国を治めることとなりました。藤孝は丹後一国を与えられ、田辺城を築いて舞鶴を拠点に領地を支配しました。

光秀の裏切りがあった本能寺の変の際、藤孝は反光秀の立場を貫き、丹後の地位を保ち続けました。その後彼は隠居し、息子に家督を譲ったのち、宮津城を隠居城として利用しました。関ヶ原の戦いでは、再び舞鶴城に戻り、息子の代理を務めましたが、戦後、細川氏は中津藩へと転封となります。

京極家の統治

信濃国から京極高知が田辺城に入城し、京極家が藩主となります。京極家は近江源氏の佐々木氏の末裔で、藩を適切に統治するために、丹後を3つの藩に分割しました。1622年には舞鶴藩（田辺藩）が正式に成立し、その領域は丹後加佐郡全域に及びました。

歴代藩主

藩主は京極家から牧野家に引き継がれます。京極家は1600年から1668年まで藩主の座にあり、高三、高直、高盛といった名が残ります。その後、牧野親成が摂津国から3万5000石で藩を相続し、以後幕末まで牧野家がこの地で統治を続けました。

明治維新と舞鶴藩への改称

明治2年には版籍奉還が行われ、田辺藩は舞鶴藩と改称されます。明治4年の廃[[藩置県]]により、舞鶴県として一時的に存在しましたが、数か月後には豊岡県に統合され、最終的には京都府に編入されました。

地理と領地の変遷

田辺藩の領有していた地域は、現在の舞鶴市や宮津市由良、福知山市大江に相当します。藩主の代替わりによる領地の変遷も見られ、牧野家が代々の藩主として維持してきた歴史は、この地域の歴史的背景を色濃く反映しています。

文献と参考資料

田辺藩の歴史を調べる上で、児玉幸多と北島正元が監修した『藩史総覧』や、『江戸三百藩 藩主総覧』などの参考文献が有用です。これらの文献は、藩主や藩政の変遷を詳細に知る手段として広く用いられています。

まとめ

田辺藩の歴史は、戦国時代から明治維新にかけての日本の歴史と深く関わっています。藩の統治者たちは、特に京極家から牧野家にかけて、地域の発展を支える重要な役割を果たしました。

もう一度検索