近江源氏

近江源氏の興亡と子孫たち

近江源氏は、中世の近江国を本拠とした源氏の一族を指します。その中でも特に著名なのが佐々木氏であり、近江守護として大きな勢力を築き上げました。彼らは、数々の歴史的事件において重要な役割を果たし、その栄枯盛衰は日本の歴史に深く刻まれています。

佐々木氏の隆盛と各地への分派

佐々木氏の起源は、宇多[[源氏]]源成頼の子孫に遡ります。平安時代中期、近江国蒲生郡佐々木庄に下向した彼らは、武家として次第に勢力を拡大し、代々近江の守護職を継承しました。保元の乱では源義朝方に属して勝利を収めたものの、続く平治の乱では敗北を喫し、一時的に近江を追われることになります。

しかし、源頼朝の挙兵に際し、佐々木秀義の子孫たちが頼朝に従軍し功績を挙げたことで、近江守護の地位を取り戻しました。その後、佐々木氏はさらに勢力を伸ばし、その子孫たちは四家に分かれ、六角氏、京極氏、大原氏、高島氏といった有力な一族を形成しました。

一方、佐々木秀義の五男である佐々木義清は出雲・隠岐の守護職に任じられ、当地に土着。このことから、出雲源氏と呼ばれる一族が分派しました。

承久の乱における佐々木氏の動向

鎌倉幕府において、承久3年（1221年）に勃発した承久の乱は、佐々木氏の運命を大きく変える出来事となりました。後鳥羽上皇は、北条義時追討の院宣を発布し、全国の武士に挙兵を呼びかけました。佐々木経高とその子である高重は阿波国の兵を率いて上洛しましたが、幕府軍の圧倒的な力の前になすすべなく敗北。父子は戦死し、阿波の佐々木氏は没落しました。

幕府は佐々木氏に代わり、小笠原長清を阿波守に任じました。長清は佐々木氏の居城であった鳥坂城を攻め落とし、生き残った佐々木高兼とその一族は、百姓になることを条件に自害しました。現在も、高兼の自害した地には「弓折」という地名が残っており、その地には佐々木姓が多く見られることから、近江源氏佐々木氏の末裔が住んでいると考えられています。

その他の近江源氏

佐々木氏以外にも、清和[[源氏]]を祖とする複数の近江源氏一族が存在しました。

清和[[源氏]]義光流: 園城寺と深い繋がりを持ち、治承・寿永の乱で活躍した山本氏などが含まれます。
清和[[源氏]]満政流: 善積氏、和田氏などが知られています。
* 清和[[源氏]]満季流: 高屋氏、平井氏、小椋氏などが含まれます。

これらの近江源氏一族は、それぞれ独自の系譜と歴史を持ち、近江国の歴史、ひいては日本の歴史に重要な役割を果たしました。

参考文献

ふるさと森山　鴨島町森山公民館郷土研究会

もう一度検索