丹生官省符神社

丹生官省符神社について

丹生官省符神社（にうかんしょうぶじんじゃ）は、和歌山県伊都郡九度山町慈尊院にある歴史的な神社で、重要文化財および文化的に価値のある史跡です。この神社は、九度山町の南部に位置し、境内は国の史跡として指定されており、またユネスコの世界遺産『紀伊山地の霊場と参詣道』の一部としても登録されています。

歴史の背景

この神社の歴史は、空海（弘法大師）が大和国宇智郡に訪れた際に、地主神の狩場明神に導かれ、高野山の霊地についての啓示を受けたことにまでさかのぼります。狩場明神は白犬と黒犬の二匹を使い、空海を高野山まで案内しました。その後、弘仁7年（816年）には、嵯峨天皇から高野山を賜り、空海はこの地に丹生高野明神社を建立しました。この神社は、狩場明神とその母神である丹生都比売大神を祀るためのものであります。

丹生官省符神社は高野山の鎮守と見なされ、1396年には文書に「官省符鎮守・神通寺七社」として記録されており、豊富な神社群と結びついています。特に、七社の神々が、空海によって勧請され、以降、当社は地域住民からの信仰を集めてきました。また、過去には洪水により境内が損なわれ、多くの神社が移転を余儀なくされています。

祭神と崇拝対象

丹生官省符神社では、複数の祭神が祀られています。第一殿では丹生都比売大神、高野御子大神、天照大御神が主祭神とされ、第二殿には大食都比売大神、誉田別大神、天児屋根大神が祀られています。第三殿には市杵島比売大神が祀られており、これらの神々は地域の人々から広く崇拝されています。

建築物と文化財

本殿は重要文化財であり、1517年に再建された第一殿と第二殿、1541年に再建された第三殿があります。また、境内には幣殿や拝殿、社務所もあり、神社の重要な構成要素となっています。境内は1977年に国の史跡としても指定されており、特に「町石道」として知られる道は高野山への参詣道の一部として評価されています。

アクセスと周辺情報

丹生官省符神社には、南海高野線の九度山駅から徒歩約20分、西日本旅客鉄道和歌山線の高野口駅から徒歩約30分でアクセス可能で、多くの参拝者や観光客が訪れます。神社周辺には慈尊院もあり、セットで訪れることができるため、巡拝を楽しむことができます。

結論

歴史的、文化的な重要性を持つ丹生官省符神社は、和歌山県において多くの人々に愛される存在です。神社内には豊かな文化財があり、地域の歴史と信仰を体感できる貴重なスポットとなっています。ぜひ訪問し、その静かな佇まいと歴史の深さに触れてみてください。

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