丹羽圭子

丹羽圭子：多彩な才能を持つ編集者・脚本家

丹羽圭子は、編集者、脚本家として多岐にわたる分野で活躍している人物です。中村香という別名義も使用しています。

生い立ちと初期の活動

兵庫県で生まれた丹羽圭子は、松竹シナリオ研究所で脚本を学びました。同期の一色伸幸からは「天才少女」と評されるほどの才能を発揮していましたが、ある時期から研究所に姿を見せなくなります。

編集者としてのキャリア

その後、丹羽圭子は徳間書店に入社し、鈴木敏夫の下で『アニメージュ』の編集に携わるなど、編集者としてのキャリアをスタートさせます。編集者としては、碧野圭などの作品を手がけました。

脚本家としての飛躍

スタジオジブリに移籍した鈴木敏夫の依頼により、丹羽圭子はジブリ作品にもスタッフとして参加するようになります。1993年には、日本テレビで放送されたアニメ特番『海がきこえる』の脚本を「中村香」名義で担当しました。

2006年公開の映画『ゲド戦記』では、宮崎吾朗監督と共に脚本を担当。2010年の『借りぐらしのアリエッティ』では、宮崎駿と共同で脚本を手掛けました。宮崎駿が口頭で語るアイデアを丹羽が文章にまとめるという形で脚本が構築されました。宮崎吾朗監督の『コクリコ坂から』でも、再び宮崎駿との共同脚本を担当しています。

2014年には、映画『思い出のマーニー』の脚本を米林宏昌監督、作画監督の安藤雅司と共同で執筆しました。

2019年には、新作歌舞伎『風の谷のナウシカ』の脚本を執筆し、第48回大谷竹次郎賞を受賞しました。

人物像

丹羽圭子は、宮崎駿・吾朗父子の両方と脚本を共同執筆した経験を持つ、数少ない人物です。

徳間書店での上司であった鈴木敏夫は、丹羽のことを「何を考えているのか分からない、いつもぼーっとしている」と評していますが、その筆力については高く評価しています。松竹シナリオ研究所の同期生である一色伸幸も、丹羽の才能を高く評価していました。

主な作品

テレビアニメ

海がきこえる（1993年）- 脚本（中村香名義）

映画

ゲド戦記（2006年） - 脚本（宮崎吾朗と共同）
借りぐらしのアリエッティ（2010年） - 脚本（宮崎駿と共同）
コクリコ坂から（2011年） - 脚本（宮崎駿と共同）
風立ちぬ（2013年） - 協力
思い出のマーニー（2014年） - 脚本（米林宏昌、安藤雅司と共同）

歌舞伎

新作歌舞伎「風の谷のナウシカ」（2019年） - 脚本（戸部和久と共同）

著作

脚本 コクリコ坂から（2011年、角川文庫） - 宮崎駿との共著


丹羽圭子は、その独特な才能と幅広い活動で、日本のエンターテインメント業界に貢献し続けています。

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