丹羽氏定

丹羽氏定の生涯と功績

丹羽氏定（にわ うじさだ）は、江戸時代前期における大名であり、美濃国岩村藩の第2代藩主として知られています。彼は慶長11年（1606年）、伊保藩主の丹羽氏信の子として、三河国の加茂郡にある伊保陣屋で生まれました。氏定は、氏次系丹羽家の3代目にあたります。

初期の人生と藩主継承

元和元年（1615年）、まだ10歳の時に将軍徳川秀忠に初めて謁見し、後の人生に深い影響を与えました。寛永15年（1638年）、彼の父である丹羽氏信が岩村藩から浜松藩への移封に伴い、氏定は12月に岩村城に入城しました。そして、正保3年（1646年）には、父が亡くなったことにより、氏定は岩村藩の藩主を継ぎました。この時、彼は弟の丹羽氏春に1000石を分与し、藩の体制を整えました。

藩主としての活動

氏定が藩主として初めて自ら岩村に赴いたのは、慶安元年（1648年）のことでした。また、慶安4年（1651年）には三河刈谷藩主の松平定政が大名家を捨てて隠居した際に、彼と水野忠善が刈谷城に赴き、城を引き継ぐ役目を果たしました。さらに、正保4年（1647年）と承応2年（1653年）には、大坂加番に任命されており、藩の名声を高めるための尽力がありました。

家族と文化活動

承応年間、彼の娘・多阿姫が難産に苦しんでいた際には、日蓮宗の高僧・日輝上人の祈祷を受け、無事に出産を果たしました。この出来事を契機に、氏定は寺院の建立を計画し、承応2年には日亮を迎えて妙法寺を開山しました。彼の宗教的な配慮は藩内の団結に寄与しました。

晩年と死去

明暦2年（1656年）、氏定は野井村にある臨済宗寺院・威代寺の檀徒間の対立を裁定し、一方の檀徒を曹洞宗に変更させました。これにより、藩内の宗教的な平和を保つことに成功しました。氏定は明暦3年（1657年）に江戸にて亡くなり、享年は52歳でした。彼の子供たちの中で長男の丹羽氏純が藩主を継ぎました。彼の遺体は、かつて存在していた恵那市の妙仙寺に葬られましたが、現在その寺は現存しておらず、乗政寺山墓地に墓が残っています。

系譜と後世に残した影響

氏定の父は丹羽氏信であり、母は水野勝成の養女・於徳の方です。正室は高木正成の娘で、元禄14年（1701年）に83歳で亡くなりました。氏定の家族もまたその後の世代に多大な影響を与え、彼の系譜は大名家の伝統と文化を受け継いでいきました。氏定の遺志や功績は、江戸時代の大名のあり方を示す大切な一部となっています。

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