丹羽薫氏

丹羽 薫（にわ しげうじ）の生涯

丹羽薫氏は、江戸時代中期に生きた重要な大名の一人であり、越後国高柳藩の第2代藩主、そして播磨国三草藩の初代藩主として知られています。彼は氏次系の丹羽家の7代目としてその名を遺しました。

生い立ち

元禄8年（1695年）、丹羽薫は家族の中でも特に重要な地位に生まれました。彼の父は丹羽氏右で、母は松平近良の娘です。近良は丹波国亀山藩の藩主である松平忠昭の子孫です。丹羽薫は、兄である丹羽氏音の影響を強く受け、彼の跡を継ぐ運命が待っていました。

藩主としての活動

元禄15年（1702年）に、氏音は美濃岩村藩主としての地位を失い、越後高柳藩に減封されました。この家の継承が問題となる中、薫は宝永2年（1705年）に氏音の末期養子として藩主の座に就きました。この時、彼には1万石が新たに与えられました。

丹羽薫は、宝永6年（1709年）の3月7日に従五位下に叙せられ、式部少輔に任官されました。享保4年（1719年）には奏者番に、元文4年（1739年）の8月には大坂城の定番として任命されました。彼はその際、所領を河内、播磨、美作に移すことになりました。

播磨三草藩への転封

延享3年（1746年）、彼は越後高柳藩から播磨三草藩へと転封されました。その際、越後高柳にあった丹羽氏の菩提寺である妙仙寺も播磨の山国（現在の兵庫県加東市）へと移されました。このことは、丹羽家の活動範囲が広がり、より重要な地位を確立していくための第一歩となったと考えられます。

死去とその後

丹羽薫は宝暦7年（1757年）5月22日に江戸で人生を閉じました。享年63歳でした。彼の遺体は江戸浅草の海雲寺に葬られましたが、海雲寺が杉並区に移転したため、現在彼の墓所はその地に位置しています。膨大な歴史の中で、茨の道を歩んだ薫氏の影響は、家族や藩に対しても長く続きました。

彼の長男である丹羽氏栄は三草藩主を引き継ぎ、丹羽家の伝統は後世に受け継がれていきました。

家族関係

丹羽薫の系譜は、彼の父、母、養父、弟、妻と多岐にわたっており、特に弟の知氏は短命でしたが、家族の一部としてその存在が記されています。彼の妻は小寺喜右衛門の娘であり、家族間の結びつきも重要な支えとなっていました。さらに、丹羽薫には多くの子女がいましたが、特に長男の丹羽氏栄と次男の丹羽氏董の二人は、彼の家業を引き継いでいく重要な存在でした。余談ですが、三男の巨勢利永は大身旗本の養子となり、四男の一色又吉は若くして亡くなってしまいました。

家族とともに歩んだ丹羽薫の人生は、数々の歴史的背景を持ち、江戸時代の大名社会を支える力強い一端を担っていたのです。

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