丹羽賢

丹羽賢の生涯と業績

丹羽賢（にわ まさる）は、1846年6月26日（弘化3年閏5月3日）に尾張国名古屋（現在の愛知県名古屋市）で誕生しました。彼は尾張藩士丹羽佐一郎氏常の子息として、家柄も立派でしたが、自身の才能と志が特に際立っていました。当時、彼の幼名は淳太郎でありました。

彼は名古屋の勤王思想家、国枝松宇の私塾で学び、四書五経をはじめとする古典を学ぶとともに、詩を森春濤に、書を外祖父の高木雪居から習いました。こうした豊富な教育が、後の彼の活動に大きく寄与したことは間違いありません。また、国枝私塾での同窓生である中村修之進や田中国之輔とも交流を深め、勤王の志を分かち合っていきました。

1862年、丹羽は父に連れられ江戸に移り住み、昌平黌で学びました。そこで国学者の松本奎堂と出会い、深い影響を受けました。この経験を通じて、彼は尾張勤王運動の急先鋒としての立場を確立し、仲間たちと共に藩内での倒幕運動に尽力しました。

慶応3年（1867年）には藩校明倫堂の教官として任じられることになります。その後、1868年に行われた小御所会議にも出席し、新政府の参与に任命されました。維新後、彼は東京府判事摂行および名古屋藩の大参事を務めるなど、官界での地位を確立していきました。

1871年、廃藩置県により安濃津県の参事に任じられ、さらに1872年には三重県の権令に就任、同年8月には司法少丞および権大検事を兼任しました。これを経て、1875年には司法大丞に昇格し、1876年には五等判事に任じられました。

しかし、彼は1877年に廃官となり、病に苦しむこととなります。1878年3月、彼は重篤な状態に陥り、当時の明治天皇夫妻から果物の見舞い品が贈られましたが、33歳という若さでこの世を去りました。その後、彼の貢献が評価され、1913年に大正天皇から従四位を贈られました。

丹羽賢の文学的才能も際立っており、特に漢詩においては優れた腕前を持っていました。彼の死後、1880年には自作の詩がまとめられた詩集『花南小稿』全2巻が、旧友である司法卿田中不二麿の手によって刊行されました。丹羽の短い人生には多くの名誉と業績があり、明治時代の日本の変革に大きく寄与した人物として記憶されています。

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