丹羽高寛

丹羽 高寛（にわ たかひろ）

丹羽高寛は、江戸時代中期の大名で、陸奥国二本松藩の第5代藩主として知られています。彼は、丹羽家の第6代にあたる人物であり、官位は従四位下・左京大夫を持っていました。高寛は感受性豊かで、藩の繁栄に尽力した政治家として評価されています。

生涯

享保7年（1722年）3月28日、丹羽高寛は旗本・丹羽長道の嫡子として生まれました。父の長道は藩祖・丹羽長秀の六男で、1500石を有する旗本です。高寛は、享保13年（1728年）6月25日に先代藩主・丹羽秀延が亡くなったことを受けて、家督を継承しました。彼は、その翌月に将軍・徳川吉宗に初めてお目見えを果たし、同年9月7日には従五位下左京大夫に叙任されるなど、順調に地位を築いていきました。

高寛はその後、知恵を発揮し、享保15年6月23日には陸奥国の幕領5万石を預けられることになります。一方で、彼は幕府への土地返還に関しても柔軟に対応し、享保19年12月18日には従四位下に昇進しました。これらの出来事は、彼が重要な藩主としての役割を担っていた証左です。

政治と改革

高寛は、老臣・丹羽忠亮と共に藩政改革に取り組みました。彼らは、規律と文武を重視し、儒者の桂山彩厳に推挙された岩井田昨非を召抱えることで、学問を奨励しました。その結果、藩士たちの精神を高め、藩の運営において重要な改革が行われました。

特に寛延2年（1749年）、昨非の提案によって二本松城の前に「戒石銘碑」を設置しました。この碑には以下のような戒めの言葉が刻まれています。

爾俸爾禄 民膏民脂 下民易虐 上天難欺

（お前の俸禄は、民の汗と脂肪から成り、下民は虐げられやすいが、天には欺かれない）

これは、藩の政を正し、綱紀を守るための指針となりました。高寛の政治的手腕と倫理観は、後の世にも引き継がれる重要な要素となったのです。

隠居と死

延享2年（1745年）5月9日、高寛は病気のため隠居し、長男・高庸に家督を譲りました。隠居後には「豁如」と称し、精神的な変化を経て、1769年に生涯を閉じました。

系譜

高寛には多くの子女がおり、長男・丹羽高庸は彼の跡を継ぎました。そのほかにも、生駒親信や津田正安、安藤定慶などが彼の子女として名を残しています。彼の家系は、さまざまな側室を経て、時代を超えて続いていきました。

結論

丹羽高寛は、陸奥国二本松藩の発展に大いに寄与した大名です。彼の改革と政に対する姿勢は、今なお多くの人々に評価され、学ばれています。

もう一度検索