久万高原町立久万美術館

町立久万美術館：愛媛の豊かな文化に触れる

愛媛県久万高原町に位置する町立久万美術館は、地域に根ざした貴重な美術コレクションを誇る美術館です。1989年3月の開館以来、多くの人々に日本の美術史を彩る名作の数々を届けてきました。

この美術館の設立は、実業家として、また政治家としても久万町の発展に大きく貢献した井部栄治氏のコレクション寄贈が大きな契機となりました。井部氏の熱意と情熱が結実したこの美術館は、地域住民の誇りであり、日本の美術史を理解する上で重要な役割を果たしています。

多彩なコレクションと展示

美術館には、約750点もの美術品が収蔵されており、その内容は多岐に渡ります。日本近代洋画、書画、陶磁器、彫刻など、幅広いジャンルを網羅したコレクションは、来館者に豊かな鑑賞体験を提供します。

日本近代洋画 の分野では、萬鉄五郎や村山槐多といった近代洋画を代表する巨匠たちの作品に加え、高橋由一、浅井忠、黒田清輝といった、日本近代洋画史に名を刻む画家たちの作品も展示されています。これらの作品を通して、近代日本の社会情勢や文化の変遷を垣間見ることができます。

日本書画 のコレクションも充実しており、江戸時代から大正時代にかけて活躍した吉田蔵沢、遠藤広実、明月和尚、三輪田米山、中江藤樹といった著名な書家や画家の作品が展示されています。繊細な筆致や独特の表現技法によって生み出された作品群は、日本の伝統美を余すことなく伝えています。

陶磁器 の展示では、愛媛県を代表する伝統工芸品である砥部焼の作品を多数展示。その歴史と技法、そして美しさに触れることができます。地元にゆかりのある作品を鑑賞することで、地域文化への理解を深めることができます。

彫刻 の分野では、芥川永、森堯茂、小清水漸、戸谷成雄、多和圭三といった近現代を代表する彫刻家たちの作品を展示。様々な素材や技法を用いた個性豊かな作品群は、現代彫刻の多様性を示しています。

これらのコレクションは、3ヶ月ごとに約70点ずつ入れ替えられ、来館者には常に新鮮な展示が提供されています。何度訪れても新しい発見がある、そんな魅力的な美術館です。

アクセスと情報

美術館へのアクセスは、JR四国バス久万中学校前バス停下車後、徒歩約10分です。駐車場も45台分用意されており、バスの駐車も可能です。

開館時間や休館日などの詳細については、町立久万美術館の公式ウェブサイトをご確認ください。愛媛県を訪れる際には、ぜひ町立久万美術館に立ち寄り、日本の美術史を彩る名作の数々を鑑賞してみてください。日本の美術を深く理解し、日本の文化に触れたい方にとって、町立久万美術館は貴重な場所となるでしょう。

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