久世広宣

久世広宣の生涯

久世広宣（くぜ ひろのぶ）は1561年に誕生し、1626年に逝去した安土桃山時代の武将であり、江戸幕府の旗本寄合に名を連ねていました。彼は久世長宣の子であり、母方の姓を名乗った高長がその先祖に当たります。彼の家系は、三河国額田郡に住んでいた小野十郎高広の子孫から派生しており、広宣もこの血筋を引いています。父の長宣は三河一向一揆の際、徳川家康に反抗し討ち死にを遂げることとなり、その時まだ幼かった広宣は母と共に遠江国へと移りました。

家族と人物像

久世広宣の家族には多くの兄弟が存在し、彼の兄弟には久世重利がいました。子どもたちには久世広当、坂部勝宣、久世広之、久世重利、大久保忠当室などが名を連ねています。広宣は通称「三四郎」や「三左衛門」としても知られ、その名は戦場での武名を持つ武将に相応しいものでした。

早期の武将としての活動

16歳の時に父の罪が赦され、家康に仕官した広宣は、武田勢との戦場でその武勇を発揮しました。特に、天正2年（1574年）には高天神城の籠城戦に参加し、城将の小笠原信興と共に2ヶ月間籠城を果たしましたが、最終的には開城を余儀なくされました。この際、武田勝頼は城兵を寛大に扱い、帰還を希望する者を解放しました。

帰還後の広宣は、馬伏塚城を与えられた大須賀康高に従い、横須賀衆と呼ばれる仲間と共に敵との戦いを続けました。彼らは主に高天神城の包囲や補給路の遮断などに従事し、数々の戦闘で成果を上げました。

戦歴と名声

特に注目すべき戦いは、天正6年（1578年）8月の高天神城下での合戦です。ここで広宣は、一番槍を取るなどの活躍をし、彼の名は歴史に刻まれることとなりました。その後も高天神城が落城するまで、横須賀衆として多くの戦に従軍し、さまざまな戦争で力を発揮しました。

晩年と徳川家への仕官

慶長5年（1600年）の関ヶ原の戦いでは、本隊の後備えを務め、戦後も徳川家へ仕官して2500石の旗本に取り立てられました。大坂の陣にも参加し、戦国時代を生き抜いた武将としての名声は高まりました。また、彼の息子たちも続いて旗本として活動し、特に三四郎広当は新田開墾を行い、7000石余の旗本となるなど、その家系を確固たるものにしました。

最期と後世への影響

広宣は寛永3年（1626年）に死去し、本妙寺に埋葬されました。彼の生涯は、戦国時代から江戸初期にかけての武将としての生き様を示しており、彼の家族や子孫はその後も名家として続いていきます。長男である広当は、広宣の影響を受けつつ、次世代にバトンを繋いでいきました。特筆すべきは、彼の末裔が大名に昇格し、江戸時代においてもその名を高めていったことでしょう。

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