久保禎

久保禎（くぼ ただし、1962年 - ）は、鹿児島県鹿屋市出身の日本の現代音楽作曲家です。現在は、鹿児島国際大学国際文化学部教授として教鞭を執る傍ら、作曲活動にも精力的に取り組んでいます。

経歴

鹿屋高校を卒業後、東京学芸大学教育学部特別教科教員養成課程音楽専攻作曲専修に進学。同大学院教育学研究科音楽教育専攻（作曲・指揮法講座）を修了しました。その後、ベルギー・ブリュッセル王立音楽院修士課程でさらに研鑽を積みました。作曲を仲俣申喜男、吉崎清富、ヤン・ヴァン・ランデゲムに師事し、作曲家としての基礎を築きました。

大学在学中には、吉崎清富らと作曲家グループ「パッケージ21」を結成し、作品発表を行うなど、精力的な活動を展開。また、ヲノサトルらとともに音楽確信犯会議を結成し、既成概念にとらわれない音楽表現を追求しました。

受賞歴

久保禎は、その才能が高く評価され、数々の賞を受賞しています。第1回日仏現代音楽作曲コンクール特別賞、東京国際ギター作品作曲コンクール1988入賞、平成17年度鹿児島県芸術文化奨励賞など、国内外でその功績が認められています。

海外での活動

ヨンナム国際現代音楽祭（1993/2005・韓国）、ACL／ISCMの夕べV（1998・東京）、第1回東アジア国際現代音楽祭（2003・韓国）、ピエトレ国際音楽祭（2004・イタリア）、JAPAN TODAY（2007・ミュンヘン）、キャプベルン音楽祭2008（フランス）、ハッポマン現代音楽祭（2010・韓国）など、多くの海外の音楽祭に招待作曲家として参加しています。これらの音楽祭での作品発表を通じて、国際的な音楽交流にも貢献しています。

国内での活動

九州現代音楽祭（九州・沖縄作曲家協会）、第2回21世紀合唱音楽祭（2002・東京）、カレイドスコープ2004（ブリュッセル）、ブダペスト国際現代音楽祭"MUSIC OF OUR AGE"（2004・ハンガリー芸術祭連盟）、現代の音楽展2005「打楽器フェスタ」（日本現代音楽協会）、Contemporary Horizon（2005・国際芸術連盟）、韓日創作歌曲交流音楽会（2005・韓国）、東アジア現代音楽祭2006（韓国）、第15回世界サクソフォーン会議（2009・バンコク）、第30回サクソフォーンフェスティバル（2010・東京）など、国内外の多数の現代音楽祭で作品が紹介されています。

近年の活動

2013年2月8日には、マニラにおける日本・フィリピン友好合作現代音楽祭にて、『弦楽四重奏曲「哀歌」』（オーケストラ・ニッポニカ委嘱作品）が初演されました。この初演には、浜野孝史（Violin I）、小宮直（Violin II）、伴野剛（Viola）、西山健一（Cello）という著名な演奏家が参加し、その作品は高い評価を受けました。

所属団体

東アジア作曲家協会日本支部委員、日本作曲家協議会会員、日本現代音楽協会会員、九州・沖縄作曲家協会理事として、日本の音楽界の発展に尽力しています。

久保禎の作品は、現代音楽の多様な表現を追求しつつも、独自の音楽的感性と深い洞察力に基づいています。彼の音楽は、聴衆に新たな音楽体験を提供し、現代音楽の可能性を広げるものとして、今後ますます注目されていくことでしょう。

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