久元喜造

久元喜造 (ひさもと きぞう) の生涯と業績

久元喜造は、1954年2月1日に兵庫県神戸市区に生まれた日本の政治家であり、元自治・総務官僚です。神戸市長を三期にわたり務める中で、地域振興や行財政改革に力を注ぎました。彼の妻は、国立音楽大学で教授職を務めるピアニストの久元祐子であり、政治家としての彼が感銘を受けている人物には、沖縄戦時の沖縄県知事であった島田叡が挙げられます。

学歴と公務員としてのキャリア

久元は神戸市立小学校から山田中学校、さらには灘高等学校を経て、東京大学法学部に進学しました。在学中、彼は西尾勝や坂本義和のゼミで行政学と国際政治を学びました。1976年に大学を卒業し、自治省に入省。彼は本省だけでなく、青森県庁、京都府庁、札幌市役所、内閣官房などの各地で地方行政や財政に関する業務に従事しました。

1997年以降は地方公共団体の財政健全化や地域振興策の企画立案に関わり、特に「平成の大合併」推進の法改正に寄与しました。また、彼は総務省において選挙部長や自治行政局長を歴任し、2012年に退官しました。

神戸市副市長と市長としての活動

退官後、久元は神戸市副市長として職務を開始し、2013年にはその職を退いて市長選に出馬する意向を表明しました。自由民主党や民主党、公明党の推薦を得て、無所属で挑んだ市長選では、多数の候補者の中で首位を確保し、初当選を果たしました。この選挙、彼は161,889票を獲得し、投票率36.55%という中で神戸市長に就任しました。彼は初の戦後生まれの市長であり、神戸市職員以外から選ばれたことも大きな意味を持ちました。

市長就任後、久元は神戸市のイチゴ品種「神戸ルージュ」の名付け親となり、産業振興にも寄与しました。都市の再開発や行財政改革を推進し、特に三宮駅周辺やウォーターフロントの整備を進めました。

再選と施策

2017年には二期目を目指す市長選に出馬し、340,064票を得て過去最高の得票数で再選を果たしました。この際の投票率は47.58%でした。また、2021年には三期目を目指して挑戦し、439,749票を獲得し当選。投票率は53.85%という高い数字を記録しました。

2022年4月からは指定都市市長会の会長に就任し、地域の発展に向けた施策を推進しています。

小池百合子都知事に対する発言

2024年の東京都知事選挙に関連し、久元は小池百合子知事の三選について、「有り余る財源を使って東京に人材を集めることが地方にとって迷惑だ」との見解を示しました。これに対して小池氏は久元への言及を行い、彼の意見が旧自治省出身としての立場からきたものであるとコメントしました。

著作

久元は著書も残しており、2013年には『ネット時代の地方自治』、2016年には童話の『ひょうたん池物語』、および共同著作として『持続可能な大都市経営―神戸市の挑戦―』を出版し、地方自治についての見解を広く示しています。彼の経歴は、地方政治の立場から地域社会に多大な影響を与えるものであり、その足跡は今後も注目され続けることでしょう。

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