久松定謨

久松 定謨（ひさまつ さだこと）

日本の陸軍軍人であり、華族の伯爵でもあった久松定謨は、1867年9月9日（慶応3年9月9日）に生まれました。彼は、旧伊予松山藩主である久松家の当主として、陸軍中将の階級を持ち、歩兵第1旅団長や歩兵第5旅団長など重要なポジションを歴任しました。定謨の家庭背景には、華族としての豊かな血脈があり、彼の家族もまた日本の政界で大きな影響を持つ人たちです。彼の妻・貞子は、島津忠義公爵の娘であり、二男の定武は貴族院議員や参議院議員を務めた後、愛媛県知事として5期20年の長期にわたって政治に携わりました。次男の定孝は宮内庁侍従職という職務に就いています。さらに孫の定成は、元愛媛大学農学部教授を務め、靖国神社崇敬奉賛会の会長も務めていました。

経歴

久松定謨は、明治時代の早い段階に教育を受け、成長していきました。彼は、伊予松山藩主家の分家に生まれ、母は池田長休の娘です。1882年に元服を果たし、従五位の位を与えられました。その後、フランスに留学し、さらにサンシール陸軍士官学校に入校しました。この士官学校を卒業後、彼は日本の陸軍少尉に任官されました。特筆すべきは、彼が日本の陸軍士官学校を経ていないにも関わらず、陸軍人事上では士官生徒第11期相当として扱われました。

彼の歩兵部隊への所属は、明治28年に中尉に進級してから始まり、関与した大きな事件には台湾征討がありました。その後、彼はロシア公使館附武官としてロシアに出張し、フランス公使館にも関与しました。

次第に彼の階級は上がり、1914年に近衛歩兵第1連隊長に任命され、翌年には陸軍少将に進級しました。その後は一層重要な役職に就き、最終的には陸軍中将に至ります。

家族と栄典

久松定謨は、家族を大切にする一面を持っていました。彼は7名の子どもをもうけ、その中には将来的に政治や公職に関わる子どもたちがいました。特に二男の定武は、政治家として大きな影響力を持った人物です。

また、彼の生涯には多くの栄典も与えられています。位階に関しては、従四位から正二位に至るまでの昇進を果たしました。さらに、明治時代にはいくつかの勲章を受章しており、特に外国からの勲章として安南王国の竜星第五等勲章を佩用することが許可されています。

まとめ

久松定謨は、その人生を通じて陸軍に尽力し、日本の歴史の中での役割を果たしました。彼の家族もまた、政治や教育の分野で多大な貢献をし続けています。彼の業績は、現在でも多くの人々に語り継がれており、陸軍の歴史において重要な一翼を担っています。彼の人生を綴った墓所は大林寺にあり、そこが彼の最終的な安息の地となっています。

もう一度検索