久留米市警察

久留米市警察の歴史と組織構成

久留米市警察は、かつて福岡県久留米市に存在した自治体警察です。この警察は1948年に設立され、その後数年間にわたって地域の治安維持に努めました。設立当初、警察署は総務課、公安課、捜査課の3つの主要部署から成り、署長を含む190名の職員が配属されていました。居住地の防犯だけでなく、交通指導や青少年の健全育成など幅広い業務を担っていました。

記録されるべき設立の経緯

久留米市警察の設立は、1948年3月7日に公式に行われました。この日は福岡県警察部が解散された結果として、久留米市内の警察機能が独自に運営されることとなったのです。最初の時点では署長1名、警部2名、警部補12名、巡査部長21名、巡査124名、一般職員30名という多彩な人材が配置された組織が誕生しました。このようにして、久留米市民の安全を守るための基盤が形成されました。

1950年には組織が拡大し、続いて警察吏員には拳銃が貸与されるなど、警備の充実が進められました。また、同年には久留米市議会が県有資産である警察署及び関連施設を無償で受け入れたことも、警察の機能強化に寄与しました。

組織の構成

1950年1月の段階で久留米市警察は、次のような部署を有していました。総務課、警備交通課、捜査課、青少年防犯課、経済保安課、警ら課など、多岐にわたる業務を担う組織構造が整っていました。各課はさらに細分化され、それぞれの専門家が常駐することで効率的な運営が行われていました。警察署は、1945年に現在の久留米市両替町71番地にて設置され、その後も長年にわたって警察機能の中心として機能していました。

また、派出所や駐在所が市内各地に設置され、地域住民との密接な関係が築かれていました。特に、御井町や西鉄久留米駅前、大牟田市など、主要な地域に派出所が設けられており、市民の安全を守るための役割が期待されていました。

設備と主な事件

久留米市警察の装備は、当時の基準から見ても充実しており、乗用車やトラック、自転車などが配分されましたが、拳銃の貸与については160人の定員に対して30丁という厳しい条件がありました。しかし、地域治安維持のための努力は続けられました。

警察の活動の中で、いくつかの重大な事件も記録されています。1950年2月には久留米競輪場での八百長騒ぎや、同年末には反税闘争が発生し、数百名の逮捕者が出る事態にまで発展しました。さらに1951年には、共産党関係者に対する捜索や201人が参加したデモ、朝鮮人による暴力事件など、治安維持は簡単ではない状況でした。

久留米市公安委員会の設立

久留米市警察を管轄する久留米市公安委員会も設けられ、管理を行っていました。この委員会は、久留米市長が選任した委員によって構成され3年の任期を持ちました。その活動は市の治安維持に重要な役割を果たしていました。倉田泰蔵を中心とした委員会は、警察の運営方針や規範を定めました。

最終的に、1954年には新警察法が施行され、久留米市警察は福岡県警察に統合されることになりました。1865年にわたり地域を守ってきたこの警察の歴史は、地域住民にとって大きな存在でした。久留米市警察の歩みは、地域警察の重要性やその変遷を物語る貴重な資料となっています。

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