久米郡 (愛媛県)

久米郡の歴史と変遷

久米郡（くめぐん）は愛媛県に存在していた郡で、古代から明治時代までの長い歴史を有しています。古くは7世紀に、久味国造の領域を中心にした評制の中で「久米評」として設置され、やがて大宝元年（701年）に郡制が導入され、「久米郡」としての体制が確立しました。これにより、久米郡の名称とその土地の行政区画が形成されました。

明治維新と久米郡の変遷

明治維新後の1878年（明治11年）には、行政区画の一部として久米郡が正式に発足しました。当時の久米郡は、現松山市の一部を含む広範囲にわたる区域を持っていました。郡域には古川西、和泉南、朝生田町などがあり、また東温市の一部も含まれていました。

この期間、久米郡は松山藩の領土として知られ、多くの村が「旧高旧領取調帳」に記載されていました。具体的には、和泉村、朝生田村、古川村、鷹子村など、合計32の村が確認されています。明治4年に松山藩が廃藩置県によって松山県に組み込まれた後、さまざまな県に属し、最終的には1873年に愛媛県に編入されました。

行政区画の確立

1878年12月16日、久米郡は郡区町村編制法に基づいて行政区画として確立し、温泉和気久米郡役所が松山市内の二番町に設置されました。この役所は、久米郡とともに和気郡を管轄し、地域の行政を行う役割を果たしました。

その後、1884年には「風早和気温泉久米郡役所」が松山市の新たな場所に再設置され、役所の機能はそのまま受け継がれました。また、1889年12月15日には町村制が施行され、久米郡内の村が以下のように分かれました：

• - 石井村（今在家村、井門村などから）
• - 久米村（高井村、窪田村などから）
• - 小野村（小屋峠村などから）
• - 北吉井村（樋口村などから）
• - 川上村（北方村、松瀬川村から）

久米郡の消滅

しかし、その後も行政区画の変化が続き、1897年4月1日には久米郡が廃止され、新たに温泉郡が設立されることになりました。この時、久米郡は温泉郡・風早郡・和気郡・伊予郡などとの一部の地域を統合する形で消滅し、行政区画としての役目は終わりを迎えました。

まとめ

久米郡はその歴史を通じて、地域の発展や行政の枠組みの中で重要な役割を果たしてきました。その存在は、愛媛県の歴史、そして地域の文化に多大な影響を与えたことは間違いありません。このように、久米郡はただの地名に留まらず、その背後には深い歴史が存在することを理解することが重要です。

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