久遠郡

久遠郡の概要と歴史

久遠郡（くどうぐん）は、北海道の後志国檜山振興局に位置する郡です。この地域には、人口約6,771人、面積638.68㎢を有する1つの町、せたな町（せたなちょう）が含まれています。人口密度は10.6人/km²となっており、地域の特徴が表れています。2024年9月30日時点の住民基本台帳によるデータです。

郡域の形成

久遠郡は、1879年に行政区画として設立されました。当初、行政区域として設定されたのは、現在のせたな町南部にあたる旧大成町の133.91㎢のみでした。しかし、大成町が瀬棚郡内の北檜山町および瀬棚町と合併し、新たにせたな町が設立される際、その名が久遠郡から引き継がれたため、郡域はおよそ4.7倍に拡大しました。このことにより、「久遠郡せたな町」と「瀬棚郡今金町」という、郡名と自治体名が異なる例が全国的にも珍しい状況が生まれました。

名称の由来

久遠郡の名前にはいくつかの説がありますが、確固たるものはありません。一部では、アイヌ語に基づいて名付けられたとされています。「仕掛け弓・ある・山崎」を意味する「クウントゥ（ku-un-tu）」や、「黒い岬」を示す「クンネ・エトゥ（kunne-etu）」、「危ない道」を表す「kun-ru」がその候補とされています。これらの言葉から抽出された名前が、久遠郡の由来とされているのです。

歴史の歩み

久遠郡の歴史は深く、室町時代の嘉吉年間には太田山神社が創建され、享徳3年には松前藩祖である武田信広公が久遠郡の大田に上陸したと言われています。江戸時代には、久遠郡が和人地とされ、松前藩によって様々な商場が開かれました。また、陸上交通の要所として交通路が整備され、太田山道の開削されることで、当地域の交流が促進されるきっかけとなりました。

明治時代に入ると、開拓使の管轄下に置かれ、さらに様々な行政区画の変遷を経て久遠郡は1879年に正式に設置されました。その後も数度の行政変革を経て、特に昭和30年（1955年）に大成村が発足してからは、村と町の合併を経て、2005年に現在のせたな町が作られました。

現在の状況と課題

せたな町は、地域の振興と共に、その魅力を高めるための取り組みが求められています。いかにして過疎化を防ぎ、地域経済を活性化させるかが、大きな課題とされています。町の文化や歴史を活かした観光資源の開発など、多面的な取り組みが進められています。

久遠郡は、そうした歴史的背景と地理的特性を有する地域となっており、今後も発展が期待されています。

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