武田信広

武田信広（たけだ のぶひろ）

武田信広は、室町時代後期の武将であり、陸奥国の南部氏の一族とも伝えられています。蝦夷地（現在の北海道）に渡り、蠣崎氏の祖となりました。

生涯

永享3年（1431年）2月1日、若狭国の守護大名・武田信賢の子として若狭小浜青井山城に誕生。

宝徳3年（1452年）、21歳の時に家臣の佐々木三郎兵衛門尉繁綱ら数名を連れて若狭を出奔。古河公方・足利成氏の下に身を寄せた後、三戸の南部光政を頼り、陸奥宇曽利に移住。南部家から田名部・蠣崎の知行を許され、蠣崎武田氏を名乗るようになりました。

享徳3年（1454年）、相原政胤らと共に安東政季を奉じて南部大畑より蝦夷地に渡り、上国花沢館の蠣崎季繁に身を寄せました。後に季繁の婿養子となり、蠣崎姓に改めます。

康正2年（1456年）、安東政季が蝦夷を去る際、信広は上ノ国に配置され、花沢館の蠣崎季繁と共にこの地を守ることになりました。

康正3年/長禄元年（1457年）5月、アイヌ民族による和人武士の館への一斉襲撃事件であるコシャマインの戦いが勃発。道南十二館のうち10館が陥落する中、信広は敗残兵をまとめ七重浜でアイヌ軍と交戦、コシャマイン親子を射殺しました。長禄2年6月に乱が鎮定されると、この功績により信広の蝦夷地における地位は不動のものとなりました。寛正3年（1462年）には勝山館を築城しています。

文明7年（1475年）には、樺太アイヌの首長から貢物を献上され、樺太を支配下に置いたとされていますが、その影響力が及んでいた範囲は限定的だったと考えられています。

明応3年（1494年）5月、死去。享年64。

死後

明治14年9月6日、正四位を追贈されました。同年、信広を祭神とする松前神社が建立されました。

系譜

父：武田信賢?
母：不詳
養父：蠣崎季繁（?-1462）
室：蠣崎季繁の養女 - 安東政季の娘
男子：蠣崎光広（1456-1518）
生母不明の子女
女子：下国恒季室
女子

参考文献

函館市 編『函館市史　通説編』 第一巻、函館市、1980年3月1日

関連項目

国鉄7100形蒸気機関車 - このうちの1両に「信廣」の愛称が付与

外部リンク

* 『武田信広』 - コトバンク

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