乗馬服

乗馬服について

乗馬服は、欧米式乗馬において欠かせない服装で、主にブリティッシュスタイルとウエスタンスタイルに分類されます。日本では主にブリティッシュスタイルが一般的ですが、乗馬の種類によって各スタイルの服装が異なります。例えば、馬場馬術、障害馬術、競馬、野外騎乗、ポロ競技など、用途に応じた特定の服装が用意されています。特に競馬では、レース中に騎手が着用する服は「勝負服」と呼ばれ、個性を表現する重要なアイテムとなっています。

ブリティッシュスタイル

起源

ブリティッシュスタイルの乗馬服は、17世紀の欧州上流階級の社交に起源を持ち、そのスタイルはフォーマルやドレッシーな雰囲気を特徴としています。例えば、モーニングコートは乗馬用として発展したと言われています。男性用では、乗馬用上着、ズボン、ブーツ、シャツが基本のスタイルとなり、18世紀末にはこの形式がほぼ完成しました。女性用の乗馬服は、「ライディングハビット」という名称で呼ばれることがあり、フランスではアマゾーヌ（女性騎馬戦士）から名付けられています。

女性用乗馬服

英語で女性の乗馬服を指す「ライディングハビット」は、20世紀初頭から男女共通の用語として使われています。17世紀後半には、イギリスの宮廷で女性が乗馬する際の服装が流行し、上着は男性用と似ていて、下半身にはスカートを着用するスタイルが確立されました。正式な乗馬スタイルとしては、横乗り（サイドサドル）の姿勢が求められましたが、1930年代末頃までにはこのスタイルはあまり見られなくなりました。

略装

乗馬の初心者においては、一般的に乗馬用ズボン、ブーツ、ヘルメットが必須とされています。手袋は軍手で代用可能で、シャツは襟付きが望ましいとされています。初心者が怪我を防ぐためには、衝撃を吸収するプロテクターの着用も推奨されており、装備品のレンタルも行われています。ヘルメットや猟騎帽は顎紐付きのものを選んで頭を保護することが重要です。

乗馬用ズボンには、鞍が当たる部分が補強されたものがあり、キュロットやジョッパーズなどの種類があります。ブーツは、ズボンに合わせて長靴や短靴を選ぶ必要があります。また、手袋は手を保護し、濡れても滑らない素材を選ぶことが大切です。

正装

正装には以下の項目があります。

• - 淡い色のシャツ
• - 紺または黒のジャケット、またはツイードのジャケット
• - ネクタイまたは白・クリーム色のストックタイ
• - 紺または黒の猟騎帽
• - ベージュ、クリーム、または黄色の乗馬ズボン
• - 革または合成素材のブーツ
• - 手袋（革、綿、ウール）

ウエスタンスタイル

ウエスタンスタイルは、アメリカ西部のカウボーイに由来するもので、実用的で動きやすいことが特長です。このスタイルには以下のようなアイテムが含まれます。

• - カウボーイハット
• - ウエスタンシャツ
• - ジーンズ
• - ベルトバックル
• - チャップス
• - カウボイブーツ

このように、乗馬服は各スタイルによって異なる特徴を持ち、使用目的や文化に応じて多様なデザインが存在します。適切な服装を選ぶことは、安全で快適な乗馬を楽しむために大切です。

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