乙訓郡

乙訓郡の概要

乙訓郡（おとくにぐん）は、京都府に位置する郡であり、人口は16,244人、面積は5.97平方キロメートル、人口密度は2,721人/km²（2024年9月1日の推計）となっています。この郡は大山崎町（おおやまざきちょう）という町を含んでいます。

歴史的背景

乙訓郡は1879年（明治12年）に行政区画として正式に発足しました。その時点では、現在の大山崎町に加え、特定されていた区域も含まれていました。これには一部の京都市や南区、さらには西京区の一部が関係しています。歴史的には、乙訓郡は長岡京や山城国の重要な地点としての役割を果たしており、戦国時代や江戸時代には勝竜寺城や淀城といった城が建設され、地域の防衛や政治の中心として位置づけられていました。また、山崎の戦いといった重要な戦闘もここで行われました。

オトクニの由来

乙訓という名称の起源は和銅6年（713年）にさかのぼります。この時期、弟国郡から乙訓郡に名称が変更されました。弟国郡は大宝元年（701年）の大宝令に基づいて設置されたもので「弟の国」に由来しています。また、乙訓の名称にも他の解釈があり、「堕国（おちくに）」や「少国（おぐに）」だという説も存在します。特に『古事記』によると、ある神話的なエピソードが乙訓の地名の由来とされています。

郡内の郷

平安時代の文献である『和名類聚抄』には、乙訓郡の中で記されている郷として11郷が存在します。代表的なものには、山埼郷や鞆罡郷、長罡郷、大江郷、物集郷が挙げられます。また、式内社についても『延喜式』神名帳に記載があり、地域の宗教的な重要性を物語っています。

近代以降の沿革

乙訓郡は明治期以降、多くの変遷を経験しました。特に1868年の京都裁判所の管轄に始まり、次第に京都府の管轄下に入ることになります。その後、明治22年（1889年）の町村制の施行によって、現在の町村が形成されていきました。各種の合併や編入が繰り返され、最終的には大山崎町といった現代の自治体が発足しました。

現在の状況

現在、乙訓郡は大山崎町を中心とする地域として活動しています。既存の文化や歴史が色濃く残るこの地域は、古くからの伝承や神話を大切にしつつ、近代化が進んでいます。

まとめ

乙訓郡は、その名称や地域の変遷において、多くの歴史的物語を抱く「国」であり、今後もその特異な文化の発展と保存が期待されています。

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