九八式旋回機関銃

九八式旋回機関銃

九八式旋回機関銃とは、大日本帝国陸軍が開発した航空機用の機関銃であり、主に軍用機に搭載されました。この銃は、特に日本の航空機における火力を向上させるために設計されました。

開発経緯

九八式旋回機関銃の開発は、1930年代後半に始まります。陸軍は八九式固定機関銃や八九式旋回機関銃の後継機を求めていました。このニーズに応じて、1933年からドイツのラインメタル社が製造していたMG 15機関銃をライセンス生産する試みが行われました。

当初、固定機銃型の九八式固定機関銃は、製造に必要な部品の供給が難航し、試作にとどまりました。一方、旋回機関銃は銃手による手動排莢が可能であったため、開発が続行され、1938年には完成を見極め、1940年には仮採用されるまでに至りました。

設計と特性

初期の九八式旋回機関銃は、MG 15と同様のサドル型ドラムマガジンを採用しています。このマガジンは、空薬莢を下側から排莢する構造を備えていました。使用する弾薬は7.92x57mmモーゼル弾ですが、開発当初はドイツからの輸入品に依存していましたが、後に日本国内でのコピー生産が行われ、公式の実包が作られました。

運用と配備

九八式旋回機関銃は、さまざまな航空機に装備されました。具体的には、九九式双発軽爆撃機、一〇〇式重爆撃機、一〇〇式司令部偵察機、二式複座戦闘機の屠龍など、多様な機種に搭載されました。しかし、九八式固定及び旋回機関銃の弾薬は互換性がなかったため、後に放熱構造を簡略化して口径を7.7mmに変更した「乙型」が開発されました。

ただし、乙型も生産が難しかったため、最終的にブルーノZB26軽機関銃を基にした一式旋回機銃が採用されることになりました。このため、九八式旋回機関銃は生産数が数百丁に留まる結果となりました。

戦後、九八式旋回機関銃及び一式旋回機銃はトロフィー銃としてアメリカ兵によって持ち去られ、現在でもアメリカに残っているものがあります。また、使用弾薬の多くが容易に入手できることから、一部の愛好家に好まれています。

派生型

• - 九八式旋回機関銃 甲型: 最初の生産型で、7.92x57mmモーゼル弾を使用します。後の乙型の採用に伴い、甲型として区別されています。
• - 九八式旋回機関銃 乙型: 放熱構造を簡略化し、弾薬を7.7×58 mmSRの八九式普通実包に変更した型です。
• - 一式旋回機銃: 大日本帝国海軍で国産化された旋回機関銃で、弾薬は.303ブリティッシュ弾を使用し、旧型機関銃との互換性はありませんでした。
• - 試製四式車載重機関銃: 戦車に装備されることを目的に開発された機関銃で、MG 15やMG 17がその基盤となりました。

関連情報

九八式旋回機関銃の詳細な情報は、大日本帝国陸軍兵器の一覧や文献を参照することでさらに了解を深化させることができます。

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